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混戦必至のセ・リーグでチームの命運を握る? 知っておきたい新外国人選手たちの実力を診断!


 いよいよ開幕する2016年のプロ野球。この時期はもちろん、12球団全てに優勝の可能性がある。なかでもソフトバンクが圧倒的に本命視されているパ・リーグに対して、セ・リーグは本命不在の様相。戦前から混戦が予想されているのが現状だ。

 そこで今回は、全日程が終了したオープン戦の結果を踏まえて、セ・リーグの新外国人選手の実力を診断してみよう。混戦になればなるほど、その活躍が重要視される助っ人たち。プロ野球開幕シーズンだからこそ、その実力を把握しておきたい。

東京ヤクルトスワローズ


カイル・デイビーズ
3試合/1勝1敗/防御率3.38
8回/被安打7/与四死球5/奪三振6

ルイス・ペレス
10試合/0勝0敗/防御率3.00
12回/被安打11/与四死球6/奪三振15

ジョシュ・ルーキ
9試合/1勝1敗/防4.00
9回/被安打5/与四死球2/奪三振9

≪実力診断≫
 退団したロマン、バーネットに代わる戦力としてヤクルトは投手3枚を獲得。なかでも左腕・ペレスと右腕・ルーキは勝利の方程式入りが期待されており、多くの実戦を積んだ。荒れ球タイプのペレスと制球力が自慢のルーキ。これにオンドルセクを加えた3人で勝利の方程式を組むのか、はたまた外国人枠を争うのか。野手ではバレンティンが猛アピールしているだけに真中満監督の4枠の取捨選択にも注目だ。

 またデイビーズは手薄な先発陣に食い込む評価を得た。ただ、3度目の登板では70球を超えたあたりから急激に崩れはじめ、スタミナに不安を残す。開幕ローテに入るといわれているが、調整は間に合うのだろうか?


読売ジャイアンツ


ギャレット・ジョーンズ
19試合/53打数15安打/打率.283
2本塁打/7打点/ 5四死球/8三振

≪実力診断≫
 巨人では主砲候補のギャレットに注目。メジャー通算122本塁打の実績を持つギャレットは打線復活のキーマンとなるか? 来日時には早打ちタイプで三振の多い長距離砲と言われていたが、意外にもクレバーでシュアなバッティングも見せており、日に日にフィット感を増している。左投手に滅法弱いなど、メジャー在籍時のデータ上での欠点は多いが、プレースタイルの一変もありそうな気配だ。


阪神タイガース


マルコス・マテオ
6試合/0勝0敗1セーブ/防御率0.00
6.2回/被安打3/与四死球2/奪三振7

ラファエル・ドリス
5試合/0勝0敗1セーブ/防御率3.00
6回/被安打5/与四死球4/奪三振7

マット・ヘイグ
10試合/31打数6安打/打率.194
0本塁打/1打点/0盗塁/1四死球/3三振

≪実力診断≫
 本国での違法賭博騒動もあり、メジャーに移籍した呉昇桓の穴埋めとしてマテオとドリスの2人を獲得。本命のマテオはキレ味鋭いスライダーを武器にゼロ封でオープン戦をフィニッシュ。当然、守護神当確だ。そして対抗として獲得されたドリスもストレートとフォークのコンビネーションで三振を取れる能力を示し、2枚揃って好発進を決めた。

 一方で好調・金本新体制において、触れてはいけない存在になりつつあるのは、マートンの後釜のヘイグ。昨季インターナショナルリーグ(3A)のMVPに輝き、上り調子だというデータからは想像できないほど攻守に精彩を欠き…。早くもフォード2世、コンラッド2世など、近年のダメ助っ人の名が挙がりはじめた。ポジティブ要素としては、虎の最強助っ人・バースも来日当初はダメダメだったということだけだ。

広島東洋カープ


ブレイディ・ヘーゲンズ
6試合/0勝0敗/防御率3.00
6回/被安打6/与四死球1/奪三振7

ジェイ・ジャクソン
5試合/0勝0敗/防御率0.00
5回/被安打2/与四死球4/奪三振6

ジェイソン・プライディ
12試合/28打数7安打/打率.250
1本塁打/4打点/1盗塁/3四死球/12三振

≪実力診断≫
 投手陣ではヒース、ザガースキー、デヘスス、野手陣ではロサリオ、グスマン、シアーホルツなど切るに切りまくった広島。特にヒースやザガースキーは鯉党からの期待も大きく、「何をトチ狂っとるんなら!」とお怒りのカープファンも多かったが、新外国人2投手がある程度の結果を残したことから、溜飲も下がりかけている模様。

 既存戦力のジョンソン、エルドレッド、中日から加入のルナが3枠当確のため、残る1枠はジャクソンが濃厚になった。「走攻守三拍子揃った」との触れ込みのプライディは実力を発揮できず。2軍スタートになりそうな雲行きだ。


中日ドラゴンズ


ジョーダン・ノルベルト
3試合/0勝0敗/防御率2.00
9回/被安打8/与四死球2/奪三振10

ファン・ハイメ
オープン戦登板なし

ダヤン・ビシエド
8試合/29打数7安打/打率.241
2本塁打/4打点/0盗塁/0四死球/3三振

≪実力診断≫
 27歳の若さでメジャー66発の実績を持つ、ビシエドがカギを握る(写真)。しかし、11〜20日の間、夫人の出産のために一時帰国。しかも第3子である。色々と年齢の割りに驚かされることの多い助っ人だが、調整遅れは必至。森繁和ヘッドコーチが「ダメだったら一緒にクビになる覚悟」と意気込む逸材は開幕までに急ピッチで仕上げられるか!?

 投手陣では自称166キロ右腕のハイメが右肩痛でいまだに目処が立たず。現段階ではオリックスのコーディエとは逆に「やっぱりか」という声が聞こえる。一方、先発左腕のジョーダンは視界良好。ツーシームが日に日に冴えてきており、ムードメーカーとしても株を上げている。


横浜DeNAベイスターズ


ザック・ペトリック
3試合/1勝0敗/防御率4.00
9回/被安打15/与四死球2/奪三振3

ジェイミー・ロマック
15試合/45打数7安打/打率.156
2本塁打/4打点/0盗塁/10四死球/20三振

≪実力診断≫
 投手陣では昨季、1試合で防御率33.75のとてつもない数字を残して解雇されたビロウに代わって、26歳の新星・ペトリックが加入。高田繁GMが惚れこみ、移籍金を払ってまでカージナルス3Aから獲得した逸材だ。しかし、ゴロを打たせて取るスタイルと自称しているが、ヒットもかなり打たれているのは気のせいだろうか…? 当然、球数もかなり多い。即戦力ではなく伸びしろ豊かな素材型だと信じたい。

 韓国に移籍したバルディリスの後釜を期待されているロマックもかなり怪しい。キャンプの実戦から時折、とんでもない飛距離の本塁打をかっ飛ばしているが、打率は見ての通り…。安打数よりも四死球の方が多いという謎の成績になっている。ちなみに三塁守備はザル。キャンプイン早々に「ロマックの守備練習がヤバイ」とネット上に動画が駆けめぐり、案の定、オープン戦で三塁守備に就いた試合で失策を犯し、守備率.857の体たらく。起用するならばライトになりそうだ。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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