【2016夏の高校野球】《福井観戦ガイド》有望選手と大会展望＆勢力ピラミッド

2016/6/28

7月16日〜26日（福井県営球場ほか）

敦賀気比と福井工大福井の激突必至か!?
山崎、田中の両エースが気炎を上げる夏

●ドラフト上位指名候補・山崎

　右腕に好投手が揃う。その筆頭格が山崎颯一郎（敦賀気比）だ。長身で腕が長く、リリースのタイミングが決まったときのストレートは角度があり球速以上の威力を感じる。変化球はカーブとスライダーのみだが、ストレートを中心に真っ向勝負する姿は観衆をも魅了する。ドラフトの上位指名候補にも名前が挙がり、県民の期待を一身に浴びることになりそうだ。

　田中嵐士（福井工大福井）の成長も著しい。センバツでの悔しさをバネに、全国で通用する投球を追及しフォームを修正した。その結果、腕が強く振れるようになり、ストレートとスプリットの精度が上がった。

　坂下恒輝（坂井）の140キロを超えるストレートの威力は県下髄一のものがある。完成度は低いが素材としては申し分なく、将来的にはプロを狙える逸材だ。

　その他では、上下雄大（敦賀工）は130キロ後半のストレートと多彩な変化球で打たせてとる投球が持ち味。遊撃手としても注目されるが、今夏は投手として磨きをかける。下山哲人（大野）はスライダーのキレがよい。牽制とフィールディングも優れており、機敏な動きは内野手としても見てみたいものだ。荒木開成（啓新）は、球の回転がよいストレートとスライダーを武器に粘り強い投球を見せる。土合貫太（鯖江）はバネのある投球フォームで、最速は140キロに到達した。2年生では牧丈一郎（啓新）が140キロのストレートを投げる大型投手で来年度の県内屈指の投手として注目される。左腕では鳥山晃汰（美方）がスライダーのキレがよく、成田翔（ロッテ）を彷彿とさせる。

☆★☆ 打者編 ☆★☆

●期待のスーパー1年生・杉森

　世代ナンバーワンショートを目指す、林中勇輝（敦賀気比）に熱視線が注がれる。出場した甲子園全大会で、試合を決定づける一打を放っており、記録より記憶に残る選手として県高校野球史に名前が刻まれそうだ。

　中井恭雅（啓新）は強肩捕手として注目。二塁送球が1.8秒台を誇り、スローイングの速さと送球の正確さはプロでもトップクラス。経験値も高く全幅の信頼を置ける扇の要だ。2年生の島谷元貴（福井工大福井）も強肩自慢の捕手で、打撃にも非凡さがある。

　内野手では、北村進太郎（福井工大福井）が県内屈指の大砲。左右どちらにでも長打を打ち、好調時は手が付けられない。吉松大成（啓新）は守備面が安定し、総合力の高い遊撃手となった。2年生では、北川智也（福井工大福井）がコンパクトに強く振り、鋭い打球を放つ。

　外野手に目を向けると、関龍摩（福井商）は走攻守でレベルが高く、ケースに応じた打撃ができる。田中心（坂井）は1年生のときから4番を担う強打者。植村元紀（敦賀気比）は小柄ながら一発も秘めている。2年生の上中尾真季（敦賀気比）は俊足・好打で、来年度の注目選手だ。

　スーパー1年生・杉森圭輔（敦賀気比）にも期待。中学時代にNOMOジャパンで4番を打ち、将来を嘱望されての入学。その高い能力は春季大会でいきなり4番・捕手という形で表れた。

☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●センバツ出場の2強が実力拮抗

　敦賀気比は、野手に力のある1年生が加入し打線に厚みが増した。継投で山?を休ます試合が増えれば5季連続甲子園出場も見えてくる。福井工大福井は、投打に力のある選手が揃う。投手は田中に加え巽と摺石が急成長。北村を中心とした打線は破壊力がある。2強を追う第2グループでは、美方は鳥山と後藤崇耀の2枚看板で投手力に自信を持つ。啓新は荒木・中井のバッテリーを中心に潜在能力の高い選手が揃う。試合巧者の福井商がノーシードで、台風の目となりそう。

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