今年の5月23日にモイネロとともに育成契約で入団したキューバ出身のコラス(写真右=コラス、左=モイネロ)。1998年生まれでまだ18歳の若さだ!
昨年はキューバの国内リーグに参戦し、U-18代表メンバーとしてもプレーした。外野手登録ではあるが、投手もできる二刀流としてメディアでも紹介されている。
入団翌日の5月24日。コラスはさっそく3軍戦に合流。四国アイランドリーグplus(以下、四国IL)・愛媛マンダリンパイレーツ戦に代打で登場すると、27日には7番・DHで初の先発出場。5月は時差ボケもあったのか結果を出なかったが、6月20日の阪神との2軍戦では3番・DHで出場し初ヒット。そして、23日の西部ガス戦では8回から初登板。1イニングを無失点で切り抜けた。
さらに、恒例の韓国遠征では二刀流ぶりを大きく発揮。7月5日の斗山ベアーズ戦では5番・DHで先発出場し、8回裏からはDHを解除しての投手として登板。昨季のCSでソフトバンクが大谷翔平(日本ハム)にしてやられたシチュエーションを韓国で披露したのだ。
さらに投打でフル出場した翌6日は7番・DH。7日は8番・一塁で先発出場。斗山ベアーズとの3連戦は、「打⇒投」、「DHで先発」、「野手で先発」と二刀流フルコースをやってのけた。
入団して2カ月が過ぎ8月に入ると、コラスの活躍はさらに目覚ましいものへと変貌する。
8月1日の四国IL・徳島インディゴソックス戦では、2点ビハインドの6回から登板。2イニングを被安打1の無失点に抑え、その後、チームは逆転。3軍戦ではあるが初勝利をマーク。さらに8番・一塁で出場した5日の四国IL・愛媛マンダリンパイレーツ戦では、逆転タイムリーに初本塁打でチームの勝利に貢献した。
投手、一塁手、右翼、そしてDHに就き、DHで出場した試合の途中から登板する試合もあれば、登板翌日に野手として先発出場もできる。
3軍だから可能な起用法かもしれないが、身体能力が高く、野球センスが卓越している伸びしろだらけの18歳だけに、近いうちに上のステージでも驚きの活躍をする可能性は十分。
3軍の主力となった今、まずはウエスタン・リーグでデビュー。そしてシーズンオフには支配下登録を勝ち取って、来季は1軍へ。キューバの二刀流の可能性を考えると、頭の中の妄想がとめどなく広がる。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。広告代理業を営みながら、ライター、イベントなどスポーツ関連の仕事もこなす。北海道生まれなのにホークスファン歴40年。