2014ドラフト候補ランキング〜四国編・目玉の安樂智大は大事に至らず!
2009年には秋山拓巳(西条高→阪神)、平井諒(帝京五高→ヤクルト)の両右腕がそろって愛媛県内の高校生からドラフト4位指名。2011年は英明高(香川)の左腕・松本竜也が巨人ドラフト1位指名され、昨年は高知中央高(高知)田川賢吾がヤクルト3位、鳴門渦潮高(徳島)・美間優槻が内野手として広島5位。そして今年は高知・和田恋が「小さいころからファンだった」巨人からドラフト2位指名を受けた。2010年こそドラフト指名はなかったものの、独立リーグ「四国アイランドリーグplus」所属選手の他にも、四国地区からは高校生たちが毎年夢舞台へ歩を進めている。
では2014年には誰が羽ばたこうとしているのか? 「豊作」との声も数多く聞かれる四国地区のドラフト候補たちから何人かをご紹介していきたい。
安樂 智大(あんらく・ともひろ)
――済美高<愛媛>
―投手・186センチ84キロ・右投左打
四国の域をはるかに越え、日本のみならずMLBからも熱視線を浴びる豪腕。最速157キロのストレートが話題に上がることが多いが、IBAF18Uワールドカップでは3試合18回無四球と制球力も実証した。
帰国後、秋季県大会1回戦では右ヒジにしびれを訴え、チームも敗戦したが、幸い症状は大事には至らず。現在は「肩を休める時期」と割り切り練習試合にはあえて登板せず。自らが課題として真っ先にあげた下半身の柔軟性作りに勤しんでいる。
岸 潤一郎(きし・じゅんいちろう)
――明徳義塾高<高知>
―投手・175センチ73キロ・右投右打
初速と終速との差が少ない最速145キロストレートに、カット系スライダー、チェンジアップにフォーク、そして甘いマスクも備える絶対エース。夏の甲子園では瀬戸内高(広島)、大阪桐蔭高(大阪)に1失点完投で競り勝つなど、強敵であるほど実力を発揮できるハートも魅力である。
ただその一方で、秋季四国大会準決勝・今治西高戦での一挙4失点に代表されるように強気が裏目に出ることも。本人曰く「いつもと一緒」からの脱却が望まれる。
塹江 敦哉(ほりえ・あつや)
――高松北高<香川>
―投手・177センチ72キロ・左投左打
夏の香川大会準決勝では最速147キロをマークした未完の大器。秋の香川県大会では課題の制球力から大乱調で途中降板したが、しなやかに強く腕を振れる魅力はやはり捨てがたいところ。下半身の柔軟性はそのままに体幹を作ることができれば、「140キロでも低めにコントロールできる」自らの理想像を超えたスケールの大きいサウスポーが誕生するはず。
<次点となる候補選手>
@ 越智 達矢(おち・たつや)
――丹原高<愛媛>
−中堅手・178センチ72キロ・右投右打)
高校通算28本塁打(10月14日時点)。昨秋は坊っちゃんスタジアムバックスクリーンに放り込んだ右スラッガー。東予東中1年時に1500メートル走(中学1年の部)四国チャンピオンに輝いた抜群の身体能力とスイングスピードは、見るものを魅了する。「まだ自分は進化しないといけない」と語る素直さも、成長への手助けとなることだろう。
A 南川 忠亮(みなみかわ・ただすけ)
――高松工芸高→JR四国
−投手・180センチ78キロ・右投右打
益田直也(ロッテ)に似たフォームから繰り出す最速147キロのストレートとスライダー。来季高卒4年目。素材は一級品なだけに「のんびり屋」の性格に火を付け、中郷大樹(那賀高<徳島>→JR四国→2006年大学生・社会人ドラフト/千葉ロッテ6巡目)以来となる「四国地区社会人野球連盟所属チームからNPB入り」を果たしてほしい。
この他、センバツでの活躍が記憶に新しい酒井祐弥(高知高)をはじめ、壁を超えれば「ドラフト候補」の称号が付く選手はまだ複数。全ての選手たちには自らの限界を超えるには格好の時間となる冬を経て、春には筆者を驚かせるような成長曲線を描いてほしいと心から願っています!
■プロフィール
寺下 友徳(てらした・とものり)/1971年生まれ。2007年2月より関東から愛媛県松山市に移住し、四国の野球・スポーツを追求中。『週間サッカーダイジェスト』(日本スポーツ企画社)、 『サッカー批評』(双葉社)他、多数媒体での執筆実績あり。 本年は人間として幅を広げるとと同時に、新たな業態へのチャレンジも。Twitterアカウントは@t_terashita
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