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桑田真澄の息子・Mattがブレイク寸前!? 芸能&スポーツ界で活躍するプロ野球選手の二世たち

元巨人のエース・桑田真澄の次男Matt

 三冠王の息子は美声の持ち主でした。

 3月26日、フジテレビ系で放送された『プロ野球選手の子供に生まれて〜親の選択 子の決断〜』。タイトル通り、プロ野球選手の二世にスポットを当てた番組だったが、内容以上にナレーションが話題を集めた。

三冠王の息子は期待の若手声優


 ナレーションを務めたのは落合福嗣。かの三冠王・落合博満氏(元ロッテほか)の長男であり、野球ファン的には名著にして怪著『フクシ伝説 うちのとーちゃんは三冠王だぞ!』でもおなじみの存在だ(もし、まだ読んでない方がいれば一読をオススメしたい)。

 そんな“三冠王の息子”が声優デビューしたのが2015年。メインキャストとしての出番はまだ少ないとはいえ、『3月のライオン』や『僕のヒーローアカデミア』などの人気作にもすでに数多く出演。所属事務所が声優業界最大手の青二プロダクション、というところからも期待値の高さをうかがわせる。

 アニメファンの間では少しずつ知名度も上げていた福嗣クン。今回、野球ドキュメンタリー、そして自分自身と同じ境遇である「名選手の子供たち」というテーマだからこその好演もあって、野球ファンにも「声優・落合福嗣」の存在が広く知れ渡ることとなった。

 福嗣クンに限らず、この春はメディアで「各界で活躍するプロ野球選手の二世」の活躍を目にすることが多かった。

巨人のエースの息子はモデル兼ミュージシャン


 今春、大学卒業を契機にメディア露出を一気に増やした人物、といえばブライダルモデル、ミュージシャンとして活躍するMatt。元巨人のエース・桑田真澄氏の次男だ。日本テレビ系『踊る!さんま御殿!!』の出演で一気に知名度を高めた。

 Matt登場のインパクト、といえば、父とまるで似ていないこと。一見するとハーフ顔。イケメンで中性的。「メーク男子」とも称されている。親子二人でイベントに出演した際は「よく隠し子って言われるんですがそうじゃないんですよ」とコメントする父・真澄氏の姿があった。

 日本テレビ系『情報ライブ ミヤネ屋』の「今年ブレイクしそうな著名人2世」特集でも取り上げられた“逸材”なだけに、今後さらにメディア露出を増やしていきそうだ。


首位打者の娘は世界一のトレーナー


 まだ記憶に新しい第4回WBC。開催国・アメリカの初優勝で幕を閉じたわけだが、そのアメリカの勝利に貢献した「プロ野球選手の二世」がいた。アメリカ代表のトレーナーとしてチームに帯同した谷沢順子さんだ。

 父は、元中日のレジェンド・谷沢健一氏。首位打者を2度も獲得した稀代の名打者としてファンの記憶に残る谷沢は、もうひとつ、アキレス腱痛と戦った選手、としても知られている。伝説の「日本酒マッサージ」をはじめ、さまざまな医療機関、民間療法を試し、ケガを克服。1980年にはカムバック賞も受賞している。

 そして、この「父のケガとの戦い」が、娘・順子さんをトレーナーの道へと導いた。小さい頃に父が治療を受ける姿を間近に見て、実際にマッサージを手伝うことで、体のケアの重要性に目覚めたのだ。

 日本の大学を卒業後、テキサス州立大のアスレチックトレーナー学科に留学。2004年に公認資格を取得。今回、WBCアメリカ代表のトレーナーとして注目を集めたが、これまでにも陸上アメリカ代表チームのトレーナーとして、オリンピックや世界選手権といった国際舞台で腕をふるってきた人物なのだ。

 今後も活動拠点はアメリカになるのだろうが、願わくば、父・健一氏とともに日本野球界にも貢献していただきたい。


 今回は、「この春、メディアで取り上げられたプロ野球の二世」として上述した3人を取り上げたが、他にもまだまだ各業界で活躍し、注目を集める人物は多い。

 芸能界では昨年末に第1子を出産した女優・吹石一恵(父が元近鉄・吹石徳一氏)、元AKB48で「スカパー!プロ野球PRアンバサダー」の倉持明日香(父が元ロッテ・倉持明氏)、元HKT48の若田部遥(父が元ダイエー・若田部健一氏)、テレビ朝日アナウンサーの島本真衣(父が元南海・島本講平氏)などが有名な事例。

 スポーツ界では、長男・俊幸、次男・善朗、三男・大輔がいずれもプロサッカー選手になった高木三兄弟(父が元大洋ほかの高木豊氏)。日本ハムで通訳を務める野茂貴裕(父は元メジャーリーガー・野茂英雄氏)などなど。

 その成功の裏には、勝負師の家庭だからこそ身につけることができたメンタリティも少なからず寄与しているのではないだろうか。

 週刊野球太郎では以前、横浜元監督の尾花高夫(現・巨人投手コーチ)の娘で、モデル・女優の尾花貴絵に「プロ野球選手の娘」というテーマで取材をしたことがある。その際、「父親がプロ野球の仕事をしていることでのプラス面・マイナス面」について質問したところ、次のように答えてくれた。

「良かったことは、やっぱりコーチとして『教える』仕事に就いているので、私が何かにくじけたり、悩んでいる時にアドバイスをくれるっていうのは、今でもすごく頼りにしているところですね。悪いことは……なんだろう? ないかな(笑)。私も父に似て少しプラス思考のところがあって、マイナス面をマイナスととらえないところがあるので、思いつかないですね」

 もちろん、ただ単に「二世だから」という理由だけで世間で活躍できるはずもなく、そこには本人の実力、努力も見逃せない。「プロ野球選手の二世」たちは、今後さらに注目度を高めていくのではないだろうか。

文=オグマナオト

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