8月2日、角中勝也は日本ハム戦で決勝3ランホームランを放ち、ロッテの勝利に貢献。だが、お立ち台に登った角中は喜びを爆発させるどころか反省会のようなヒーローインタビューを行った。
インタビュアー「うまく打ったなという一発だったと思うんですが、どうでしょうか?」
角中「うまく打つというより、引っかかっちゃった感じです」
インタビュアー「しっくりきてなかったんですか?」
角中「ホームランという結果に対してはすごく嬉しいけど、内容に関しては最近の調子を物語ってるなぁ…という感じでした」
インタビュアー「6月18日以来の一発は大きかったんじゃないですか?」
角中「大きかったらその後も打ててるはずなので、大きくなかったんじゃないですか」
これにはインタビュアーも困っただろう。しかし、こういった角中の冷静なところが首位打者という結果に結びついているのかもしれない。
8月7日の阪神戦、延長10回にサヨナラタイムリーを放ち4時間34分の熱戦に終止符を打った比屋根渉が、この日のお立ち台の登壇者だった。
しかし、この日の比屋根はサヨナラ打だけではなく“やらかして”いた。1点リードの場面でフライを落球。阪神逆転への足がかりを作ってしまったのだ。そう、この日は週刊野球太郎でも何度か取り上げた「比屋根劇場」の日だった。
インタビュアー「守備でエラーがありましたけど、その後、4安打。まさにバッティングで取り返したんじゃないですか?」
比屋根「自分は打つ選手ではなく守備の人だと思ってるので、練習したいと思ってます」
インタビュアー「ファンの方へ一言お願いします」
比屋根「自分のミスでこんなに遅くなってしまってすみません。これから練習してチームに貢献できるようにしたいと思います」
自分のミスを自分で取り返し、ヒーローインタビューでファンに謝罪する。自作自演の幕引きを比屋根は自ら行ったのだ。
8月3日、敵地・QVCマリンフィールドでのロッテ戦。ヒーローは試合を決定づける走者一掃の3点タイムリースリーベースを放った杉谷拳士だった。敵地ということもあり控えめなヒーローインタビューを行っていた杉谷に、突如レアードが乱入し、ペットボトルの水を浴びせる。
杉谷は真顔になり、「なに? あとでぶん殴っておきます」とひと言。インタビューも一時中断……。
しかし、インタビュアーは何事もなかったかのように会話を再開。さすがプロのインタビュアーといったところだろうか。
ホームゲームでは水をかけられる選手はよく見かける。しかし、ビジターでも水をかけられるのは杉谷ぐらいのものではないだろうか。それが杉谷のキャラクターなのだろう。
文=勝田 聡(かつた さとし)