■工藤公康(福岡ダイエーホークス)
1999年に36歳で最優秀防御率を獲得(防御率2.38)
FAでダイエーに移籍して5年目(プロ18年目)の1999年に初の最優秀防御率を獲得。前年の故障離脱というアクシデントから、見事に復活。タイトルをつかんだ。
工藤の活躍もあり、この年のダイエーは初のリーグ優勝、日本一を達成。そして、シーズンオフに工藤は大きな置き土産を残して、FAで巨人へと旅立った。
■金本知憲(阪神タイガース)
2004年に36歳で打点王を獲得(113打点)
広島時代に打撃タイトルに恵まれなかった金本知憲が、阪神移籍2年目の2004年にようやく手にしたのが打点王。
2002年、2003年に連続して打率3割を切るなど衰えているかに見えたが、2004年は終わってみれば初の100打点超えで、打率・本塁打でもキャリアハイ(当時)を記録した(113打点、34本塁打、打率.317)。
ちなみに金本は、その翌年に125打点を叩き出すもタイトル獲得ならず。あらためて「タイトルを獲れるときとはそういうもの」という現実がわかる。
■下柳剛(阪神タイガース)
2005年に37歳で最多勝を獲得(15勝3敗)
プロ入り3年目の1994年に初の2ケタ勝利(11勝)を挙げた下柳。しかし上昇気流には乗れず、そこから8年に渡って2ケタ勝利には縁がなかった。
転機となったのは2003年の阪神移籍。初年度に2度目の2ケタ勝利(10勝)を達成すると、2005年に15勝を挙げ、初タイトルの最多勝利を獲得。
37歳での最多勝は、阪神の大先輩・若林忠志の36歳を更新するプロ野球史上最年長記録のオマケつきだった。
■山崎武司(東北楽天ゴールデンイーグルス)
2007年に39歳で本塁打王(43本塁打)と打点王(108打点)を獲得
1996年に松井秀喜(当時巨人)に1本差で本塁打王(36本塁打)を獲得した山崎。その後も30本弱は打つものの、今ひとつ煮え切らないシーズンが続いた。
くすぶっていた山崎だったが、楽天移籍3年目となる2007年は、苦手にしていた和田毅から2打席連続本塁打を打って波に乗り、本塁打王と打点王を両獲り。ともにキャリアハイを達成した。
最近は選手寿命が伸びたとはいえ、若手・中堅と伍してタイトル争いができるベテランは多くはない。しかし、タイトルを獲っているベテラン選手をあらためて見ていくと、やはり「レジェンド」が顔を揃えていると感じる。
松坂もデビューの頃の圧倒的な成績やWBCでMVP選出など、輝かしい記録を残しているが、このまま尻すぼみで終わっては「平成の怪物」の名がすたる。
簡単なミッションではないが、「あの日の姿」を知るファンだけでなく、新世代の野球ファンにも松坂大輔のすごさをもう一度見せつけてもらいたい。
文=森田真悟(もりた・しんご)