田中:どーもー。アンガールズです。先週までは山根がひとりでお届けしてましたが、ここからはアンガールズの二人で、カープの課題ついて話をしたいと思います。
山根:よろしくお願いします。
田中:去年は確かにAクラスに入ったけど、昔は、優勝しか考えていなかったわけだから。ずっと優勝できていないのは、もう呪われているようだよね。
山根:過去15年間、Bクラスだったというのは、やっぱりFA制度がデカい。江藤(智)、金本(知憲)、新井(貴浩)、黒田(博樹)……まあ、黒田は海外FAだけど、彼らがいたら優勝できていてもおかしくない。
田中:もう、巨人と阪神には常に狙われてますから! カープで育てた選手をすぐに奪おうとしている。だって、大竹なんて、去年のシーズンが始まる前から、「シーズンオフに」とか言われ始めてたわけじゃないですか。いやいや、ツバ付けるのが早いよ! って。一応、FA宣言をしてからそういう情報を出して欲しいですね。「1年前から予約してたんですけどー」みたいな感じで持っていかれるのはもう勘弁して欲しい。
山根:ホントだよね。もう、羽をむしられるように選手がどんどんどんどん出ていってしまって。ドラフト指名でも「自由獲得枠」とか、なんかカープが一番不利な方向に働いた感じがします。
田中:でも、やっぱり一番大きいのはFA制度だよなぁ。
山根:FA制度自体は、もう、しょうがないかな、と。ルールだし。選手も入る時には球団を選べないわけだからね。仮に僕がプロ野球選手で、広島じゃない球団にいたとしたら、FAができるんであれば「広島に戻りたい」という気持ちになると思うはず。だから、実際の選手も地元に戻りたかったり、好きだった球団でやりたい、という気持ちは少しはわかるんだよね。
田中:うん。
山根:だから、FAはしてもいいんだけど、された方にもうちょっと見返りが多くてもいいかなぁと。今も「人的補償」はあるけど、プロテクトから外れた選手だけ。もうちょっと年俸分を補填してくれるとか、次の補強に結びつくようなシステムがあってもいいんじゃないかなって思うよね。
田中:問題は、他球団からカープに入りたいという選手がまだいないこと。そんな選手が出てきてくれたらいいなぁとは思いますね。
山根:ホークスの柳田悠岐は広島出身でカープのことがすごく好きで、「広島に入りたい」と言っていたこともあるんですけど、その発言が今度どうなるのかなぁ、という感じで見守っています。
田中:それ、本当?
山根:あとFAじゃないけど、江草(仁貴)投手が入ってきたときにも、「地元に戻って来ることができてすごく嬉しい」と記者会見で言ってくれているのを見て、来てくれた方としてはすごく嬉しいなぁと感じることができると思うんです。だから、出場機会が欲しいとか理由は何でもいいので、カープに来てくれる人がいれば……でも、FA宣言した人をカープは取りにいかないからなぁ(笑)。
田中:FA宣言と一緒に、「年俸は低くてもいいです」と言ってくれないとね。年俸は確実に下がりますから。同じような活躍をしている選手でも、カープの方がどうしても低い。だって、マエケンなんて、他球団だったら一体いくらもらってるんだ? っていう話だから。
山根:でも、まだ(山本)浩二さんとか現役で強かった頃って、浩二さんの年俸が球界最高クラスだったはず。もちろん、樽募金なんかも当時はあったけど、選手への支払いが悪かったっていうイメージはなかったんだよね。それがだんだん「2億円くらいまでしか出せません」みたいな空気になってきて、一方で他球団の年俸はどんどんどんどん上がっていった。結果として、カープという球団はしんどい練習だけして、頑張っても給料が上がらない、というイメージが付いちゃったのがよくないと思うんだよね。
山根:たぶん、金額単体で見てしまうと、他の球団やメジャーが支払える金額と比べると「広島、スゲー安いな!」と思っちゃうハズなんですよ。だから、「カープの2億円は8億円くらいの価値があります!」と宣言しちゃう。別な尺度を作らないととても勝負できない。
田中:そうだよね。広島は東京で生活するよりはお金がかからないし、家を買うにしたって絶対に広島のほうが広くて立派な家が買える! 老後のお金だって広島のほうが安く済みそう。
山根:だから、「カープで頑張れば、今後こういう生活ができるんだ!」と思ってもらえれば、結果的にいい選手が集まって、もうちょっと上の順位も狙えるんじゃないかなって思うんですよ。実際、石井琢朗さんも最初は寮に住んでいたけど、今は広島に家を構えて住んでいると聞いたことがあります。娘さんが広島をすごく気に入ってくれたとか。
田中:へー、そうなんだ!
山根:ベイスターズにいた期間に比べればすごく短いかもしれないけど、広島にいた期間がすごく有意義だった、みたいなコメントも残してるからね。そんな風に、カープという球団も、広島という街も愛してもらえるようになれば嬉しいし、僕らファンももっと応援しがいが生まれると思います。
アンガールズ・山根良顕(左)、田中卓志(右)