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《プロ野球コスパランキング》球団別編・総年俸からチーム1本塁打あたりの金額を割り出してみた!!

 プロ野球を「コスパ」で見定めていくこの企画。今回のテーマは「チーム総本塁打数」。各チーム1本当たりの本塁打金額から、今季の傾向をおさらいしていきます。(※各記録は8月31日時点。年俸は推定)

球団  総年俸  本塁打 1本塁打の値段
1 日 23億4395万円 111 21,116,667円
2 西 24億5620万円 115 21,358,261円
3 横 22億6610万円  91 24,902,198円
4 広 25億7341万円  90 28,593,444円
5 ヤ 27億3780万円  90 30,420,000円
6 ロ 24億5155万円  74 33,129,054円
7 楽 23億6890万円  69 34,331,884円
8 中 25億5247万円  65 39,268,769円
9 ソ 47億1940万円 111 42,517,117円
10 神 33億4720万円  70 47,817,143円
11 オ 38億3895万円  84 45,701,786円
12 巨 46億5430万円  81 57,460,494円

我慢が肝心!? コスパ上位3球団の特徴


 上記ランキングの通り、本塁打1本あたりの金額がもっとも安い(=コスパがいい)球団は日本ハムで約2110万円。ほぼ同額で2位につけたのが西武で約2130万円だ。

 ちなみに、パ・リーグの本塁打王争い上位は西武(中村剛也、メヒア)、日本ハム(レアード、中田翔)、ソフトバンク(松田宣浩、柳田悠岐、李大浩)の3球団で独占状態。それがコスパランキングにも反映された形だ。

 特に日本ハムの場合、今季加入したレアードの活躍がコスパ的にも好材料。打率こそ低いが本塁打30本越えは、中田翔への刺激にもなっているはずだ。


 本塁打が多くなる選手・球団の特徴として、打順(特にクリーンナップ)の入れ替えがほとんどないことが挙げられる。チームの中で求められる役割が明確だからこそ、結果として本塁打が多くなるのか? それとも、数字が残せているからこそ、打順が固定化されるのか? この辺は「鶏が先か、卵が先か」になってしまうが実に興味深い。

 ちなみに、セ・リーグでもっともコスパの良かったDeNA(全体3位)も、開幕前から「4番固定」を中畑監督が名言。怪我以外の理由で3番梶谷、4番筒香、5番ロペスのオーダーが代わることはなかった。コスパを上げるには我慢も必要、という見方ができるのではないだろうか。

オーダー決めに苦しんだコスパの悪い金満2球団


 本塁打コスパ下位は10位阪神、11位オリックス、12位巨人という総年俸が高い球団が並ぶ形に。こう考えると、球界一の総年俸を誇るソフトバンクの9位という順位はむしろ褒められるべきだろう。

 特に目も当てられないのはコスパ最下位の巨人。他を1000万以上引き離しての1本当たり約5700万円という数字が弾き出された。

 わずか3年前、「わがチームの枢軸」と原監督が語った坂本勇人、阿部慎之助、長野久義、村田修一の4人。彼らが揃いも揃って自己ワーストに近い数字に落ち込んだのが大きな要因だ。一方で、彼ら4人しか二桁を打つ選手がいないのも、今の巨人の問題点と言える。


 上述した「打順固定論」で見ると、特に巨人とオリックスの2球団は主力組に故障・不調が相次ぎ、なかなか打順が定まらなかった。もちろん、過去にはコロコロ変わる「猫の目打線」で覇権を握ったチームも存在する。だが、ただ打順を変えただけでは意味がない、ということも、改めて認識しなければならない。

「9つのポジション、9つの打順にはすべて役割がある」と語ったのは名将・野村克也。今季は楽天の「オーナー考案打線」が物議を醸したが、コスパを考える上でも改めて「打順の意味」をしっかり考察する必要があるのではないだろうか。


文=オグマナオト(おぐま・なおと)
1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」、「AllAbout News Dig」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。近著に『福島のおきて』(泰文堂)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)

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