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今季も大当たり!「よくできました」をあげたい助っ人たち

 9月に入っていよいよペナントレース争いもヒートアップしてきたプロ野球。優勝を狙うチームもあれば、Aクラスに入ってCS進出を狙うチームもあり。さらには最下位だけはごめんだ! とばかりに、ひとつでも順位をあげたいチームなど、それぞれの思惑はさまざまだろう。

 その目標に向かって、残り試合を戦うチームの原動力になれるか、なれないかで来年の生活が決まってしまうのが外国人選手たち。9月は助っ人たちにとって、来季の契約を勝ち取ることができるか、とても重要な時期なのだ。

 そこで『週刊野球太郎』では、今季の各球団の助っ人たちを徹底採点。来季も活躍が見込める働きができたか、それとも期待を裏切ってしまったか……、果てはシーズン途中にNPBへ加入した助っ人たちの成績はどうだったのか? など、いろいろな角度で外国人選手たちを評価していく。第1回目はNPBに来て2年以上経つ選手のなかで、今季も期待通りに活躍した選手を取り上げよう(成績は8月31日現在のものです)。


■セ・リーグ編

エクトル・ルナ(中日)

内野手/右投右打/34歳(2年目)



 来日1年目の昨季は序盤から安打を連発。3割台後半の打率をマークする活躍をみせていた。しかし7月に膝を故障し、8月下旬に帰国。「早い段階(6月)で来季からの2年契約を勝ち取ったから、怠けてしまったのでは……」との噂も流れ、2年目の活躍を疑問視する声もあった。

 しかし、フタを開けてみれば、今季は開幕から絶好調。毎月、3割以上の打率をキープしている。一時、ケガで登録抹消され、「また今年もか!?」と思われたが、8月に復帰し、堂々のセ・リーグ首位打者争いに名を連ねるなど、持ち味のシュアな打撃は健在だ。リーグ3位タイ、三塁手としては最多の失策数で守備面はややマイナス材料も、2年契約の1年目で、この活躍は「マジメに働く優良外国人選手」と評価したい。

ランディ・メッセンジャー(阪神)

投手/右投右打/33歳(5年目)

 能見篤史が思うように勝ち星を挙げられない今季、もはや「虎のエース」の貫禄も出てきたメッセンジャーにも「よくできました!」の評価をあげたい。既に11勝(8敗)をマークし、これで4年連続2ケタ勝利を記録。完封数3はリーグトップで、無尽蔵のスタミナは健在。昨季に続いて完投、完封もリーグ最多を狙える位置にいる。

 もう一つの持ち味である「奪三振力」も健在で、奪三振率9.93は脅威の数字。4勝0敗、防御率1.94と巨人戦を得意にしている点も、ファンにとっては間違いなく好印象。ポストシーズンでも期待したい助っ人右腕である。



■パ・リーグ編

デニス・サファテ(ソフトバンク)

投手/右投右打/33歳(4年目)

 西武から移籍した今季、新天地で守護神の座に就いたのがサファテだ。8月末までチームトップの55試合に登板し、6勝1敗32セーブを記録。抑え投手なので参考程度だが、防御率1.10は安定感の裏返しでもある。

 7月はやや疲れが出たのか、10試合に救援登板して防御率4.50と苦しみ、唯一の1敗を記録した。しかし、8月は13試合に救援登板して防御率0.00と完全復調。チームの9連勝に大きく貢献した。イニング数を超える奪三振数(57回1/3を投げ80奪三振)も魅力で、勝負どころの9月も期待される。

ジェイソン・スタンリッジ(ソフトバンク)

投手/右投右打/36歳(7年目)

 6年ぶりにソフトバンクに帰ってきたスタンリッジも、阪神から移籍して大正解といえるシーズンを過ごしている。昨季はセ・リーグ3位の防御率を記録しながら、いわゆるムエンゴ(無援護)状態で、9イニングあたりの援護点はわずか3.02で12球団の投手で下から2番目だった。結果、8勝12敗と2ケタ敗戦を喫してしまった。

 しかし、移籍した今季は、強打線のバックアップを受けて、既に10勝5敗と2ケタ勝利をマーク。パ・リーグ上位に位置するチームで先発ローテの一角を担っている。防御率2.74は金子千尋(オリックス)、大谷翔平(日本ハム)に次いでリーグ3位を誇る安定感はリーグが変わっても健在だ。攝津正が本調子でない状況のなか、先発投手の柱といってよい活躍をみせている。

エステバン・ヘルマン(オリックス)

内野手/右投右打/36歳(3年目)

 助っ人移籍組で活躍したといえば、ヘルマンも忘れるわけにはいかない。西武から移籍した今季も俊足巧打ぶりは健在で、チーム不動の三塁手としてレギュラーを獲得。攻守にわたる活躍に加え、明るい陽気な性格でチームの空気を変えている。

 昨季から変化がみられるのが、盗塁の成功率だ。昨季は40盗塁をマークするも、盗塁死はリーグワーストの20個もあった。しかし今季は糸井嘉男に次ぐ27盗塁を記録しながら、盗塁死は11個と、成功率は7割超え。新天地で積極的な走塁を披露し、ナインの意識を変えた点も、大きく評価したい。


 他にもソフトバンクから移籍してきたウィリー・モー・ペーニャ(オリックス)も、わずか1本に終わった昨季と比べて、飛躍的に本塁打を量産中。8月末現在で28本とチームNo.1の本塁打数を記録している。少し早いが今季のパ・リーグを振り返ると、移籍組の助っ人たちが活躍したシーズンだったといえるだろう。

 来週は「もう少しがんばってよ……」と某番組のような“喝”と言いたい、期待外れに終わった助っ人たちを紹介する予定です。お楽しみに!


■ライター・プロフィール
鈴木雷人(すずき・らいと)/会社勤めの傍ら、大好きな野球を中心とした雑食系物書きとして活動中。自他共に認める「太鼓持ちライター」であり、千葉ロッテファンでもある。Twitterは@suzukiwrite

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