1973(昭和48)年3月21日、甲子園での巨人とのオープン戦で、村山実の引退試合が行われた。7回、後輩の江夏豊らに騎馬戦さながらの格好で担がれてマウンドに登場した村山。高田繁、末次利光、王貞治を三者連続三振に斬って取り、ファンの大きな声援を浴びた。通算222勝。身長175cmと小柄ながら、全身を使って懸命に投げ続けるスタイルは「ザトペック投法」(苦痛に顔をゆがめながら走るマラソン選手のエミール・ザトペックに由来)と呼ばれた。