■広島東洋カープ
118盗塁/52盗塁刺/成功率69.4%
(盗塁数リーグ1位/成功率リーグ4位)
田中広輔:28盗塁/19盗塁刺/成功率59.6%
(盗塁数リーグ2位)
丸佳浩:23盗塁/9盗塁刺/成功率71.9%
(盗塁数リーグ5位)
鈴木誠也:16盗塁/11盗塁刺/成功率59.3%
(盗塁数リーグ7位)
■読売ジャイアンツ
62盗塁/26盗塁刺/成功率70.5%
(盗塁数リーグ4位、成功率リーグ2位)
坂本勇人:13盗塁/3盗塁刺/成功率81.3%
(盗塁数リーグ8位)
鈴木尚広:10盗塁/0盗塁刺/成功率100%
立岡宗一郎:9盗塁/3盗塁刺成功率75.0%
■横浜DeNAベイスターズ
67盗塁/34盗塁刺/成功率66.3%
(盗塁数リーグ3位、成功率リーグ6位)
梶谷隆幸:26盗塁/7盗塁刺/成功率78.8%
(盗塁数リーグ3位)
桑原将志:19盗塁/11盗塁刺/成功率63.3%
(盗塁数リーグ6位)
石川雄洋:6盗塁/4盗塁刺/成功率60.0%
■阪神タイガース
59盗塁/25盗塁刺/成功率70.2%
(盗塁数リーグ6位、成功率リーグ3位)
鳥谷敬:13盗塁/3盗塁刺/成功率81.3%
(盗塁数リーグ8位)
北條史也:6盗塁/0盗塁刺/成功率100%
西岡剛:6盗塁/1盗塁刺/成功率85.7%
■東京ヤクルトスワローズ
82盗塁/24盗塁刺/成功率77.4%
(盗塁数リーグ2位、成功率リーグ1位)
山田哲人:30盗塁/2盗塁刺/成功率93.8%
(盗塁数リーグ1位)
西浦直亨:9盗塁/3盗塁刺/成功率75.0%
比屋根渉:8盗塁/1盗塁刺/成功率88.9%
■中日ドラゴンズ
60盗塁/28盗塁刺/成功率68.2%
(盗塁数リーグ5位、成功率リーグ5位)
大島洋平:26盗塁/12盗塁刺/成功率68.4%
(盗塁数リーグ3位)
荒木雅博:13盗塁/0盗塁刺/成功率100%
(盗塁数リーグ8位)
亀澤恭平:5盗塁/3盗塁刺/成功率62.5%
まずは広島。今季は積極的に走りまくり、セ・リーグ断トツの盗塁数「118」を記録したが、盗塁刺も断トツの1位。ある意味では「暴走」気味だが、イケイケのチーム情勢にフィットした。
田中や鈴木など、走らせてもらった選手が「盗塁刺」の経験を今後に生かせるか。球界では「走塁はうまくなっても盗塁は天性」という声も多いが、定説を覆してほしい。
成功率でぶっちぎり1位は77.4%のヤクルト。盗塁王・山田の30盗塁2盗塁刺で数字を上げたが、全体的には走れる人員は少なく、チーム2位以下の選手は1ケタの盗塁に留まった。
その他の球団も盗塁できる人材が少ない欠点を露呈しているが、赤信号が灯っているのは阪神。トップがベテランの鳥谷。3位に7月に左アキレス腱断裂で離脱した西岡が入り、危機感を抱かせる結果に。金本知憲監督は自身のようなスラッガー探しに終始したが、自身のようなトリプルスリー探しにも着手してほしいところだ。
■北海道日本ハムファイターズ
132盗塁/39盗塁刺/成功率77.2%
(盗塁数リーグ1位、成功率リーグ1位)
西川遥輝:41盗塁/5盗塁刺/成功率89.1%
(盗塁数リーグ3位)
中島卓也:23盗塁/9盗塁刺/成功率71.9%
(盗塁数リーグ4位)
田中賢介:22盗塁/8盗塁刺/成功率73.3%
(盗塁数リーグ7位)
■福岡ソフトバンクホークス
107盗塁/43盗塁刺/成功率71.3%
(盗塁数リーグ2位、成功率リーグ4位)
柳田悠岐:23盗塁/2盗塁刺/成功率92.0%
(盗塁数リーグ4位)
本多雄一:23盗塁/7盗塁刺/成功率76.7%
(盗塁数リーグ4位)
城所龍磨:11盗塁/1盗塁刺/成功率91.7%
福田秀平:11盗塁/3盗塁刺/成功率78.6%
■千葉ロッテマリーンズ
77盗塁/29盗塁刺/成功率72.6%
(盗塁数リーグ5位、成功率リーグ2位)
荻野貴司:16盗塁/2盗塁刺/成功率88.9%
(盗塁数リーグ9位)
岡田幸文:14盗塁/7盗塁刺/成功率66.7%
角中勝也:12盗塁/4盗塁刺/成功率75.0%
■埼玉西武ライオンズ
97盗塁/37盗塁刺/成功率72.4%
(盗塁数リーグ4位、成功率リーグ3位)
金子侑司:53盗塁/17盗塁刺/成功率75.7%
(盗塁数リーグ1位)
秋山翔吾:18盗塁/6盗塁刺/成功率75.0%
(盗塁数リーグ8位)
浅村栄斗:8盗塁/6盗塁刺/成功率57.1%
■東北楽天ゴールデンイーグルス
56盗塁/37盗塁刺/成功率60.2%
(盗塁数リーグ6位、成功率リーグ6位)
茂木栄五郎:11盗塁/4盗塁刺/成功率73.3%
島内宏明:10盗塁/2盗塁刺/成功率83.3%
岡島豪郎:7盗塁/9盗塁刺/成功率43.8%
■オリックス・バファローズ
104盗塁/50盗塁刺/成功率67.5%
(盗塁数リーグ3位、成功率リーグ5位)
糸井嘉男:53盗塁/17盗塁刺/成功率75.7%
(盗塁数リーグ1位)
西野真弘:16盗塁/5盗塁刺/成功率76.2%
(盗塁数リーグ9位)
安達了一:6盗塁/6盗塁刺/成功率50.0%
小島脩平:6盗塁/7盗塁刺/成功率46.2%
日本ハムをはじめ、各球団が盗塁できるスターを秘め、盗塁成功率が4位のソフトバンクまで70%以上。走るべき選手をきっちりと走らせる印象が強いパ・リーグだが、断トツで機動力不足の球団が……。盗塁数、成功率ともにリーグ6位、もっといえばどちらも12球団最下位なのが楽天だ。
もともと梨田昌孝監督は「打ってナンボ」の気質。かつては機動力野球を標榜したこともあったが、いてまえ打線の成功から打力を重視し、今季もキャンプ前から「走れ走れはいすゞのトラック」と慎重姿勢を示していた。
それにしてもトップが新人の茂木というのはさびしい限りだ。1人ぐらいは足のスペシャリストがほしい。昨年のオコエ瑠偉獲得はそんな期待も込められているのではないだろうか。今季、オコエは4盗塁4盗塁刺だったが、2軍では14盗塁3盗塁刺。バットが1軍レベルになれば、球団一の韋駄天になれる素質は十分だ。
ロッテも近年はそこそこ。伊東勤監督は現役時代、捕手歴代ナンバーワンの134盗塁をマークしているが、盗塁への采配は慎重傾向。ここぞの場面、ここぞの試合で一気に機動力にシフトするタイプだ。現有戦力で盗塁名人は見当たらないが、イケイケドンドン、走りまくる伊東ロッテも見てみたい気がする。
文=落合初春(おちあい・もとはる)