実力派閥人気俳優によるベストナインで組んだオーダーは以下の通り。
1(遊撃):星野源(35歳)
2(二塁):ジョニー・デップ(53歳)
3(三塁):哀川翔(55歳)
4(DH):舘ひろし(66歳)
5(捕手):山田孝之(33歳)
6(左翼):大森南朋(44歳)
7(右翼):西島秀俊(45歳)
8(中堅):遠藤憲一(55歳)
9(一塁):小林薫(65歳)
投手:堺雅人(43歳)
■投手:堺雅人
投手にはNHK大河ドラマ『真田丸』で「日本一の兵(ひのもといちのつわもの)」こと真田幸村を演じきり、国民的俳優に上り詰めた堺雅人を選出。
三谷幸喜が描いた真田幸村よろしく、マウンドから戦況のみならず両軍ベンチの動向を冷静に眺め、苦境にも「望みを捨てぬ者だけに道は開ける」と試合を捨てない。その粘り強さは、まさに先発完投型の頼れるエース。
やや頼りなく見えがちだが、ハートの強さは誰もが知るところ。ここ一番の勝負では、大劣勢の大坂夏の陣で大御所様・徳川家康の本陣を突き崩した猛進撃のように、骨も砕けんばかりの剛球勝負を真正面から挑む。
エラーを犯した仲間、負傷した仲間を思いやる静かな笑顔も◎だ。
■捕手:山田孝之
捕手には若手ナンバーワンの演技力を誇る山田孝之を。若くして『世界の中心で愛をさけぶ』で見せたイノセンスから、『闇金ウシジマ君』で見せた強面まで、感情の両極を行き来する振り幅の大きさは特筆もの。
どんなチーム(脚本)が相手でも、相手の狙いを読みきり、チームの仲間(共演者)をしっかりと生かす。乱戦、投手戦、どちらもOK。試合内容に左右されず、リードはブレない。年齢も33歳と脂がのっており、あと5年は扇の要を任せられる。
5番に座る打撃面は小柄ながらパンチ力あり。打率3割、20本塁打を期待できる。また、達者な演技力の通り、小技も得意で選球眼もよし。出塁率は高い。
■遊撃:星野源
遊撃部門で選出されたのは遅咲きのニューカマー・星野源。球界一のモテ男・坂本勇人(巨人)の牙城を崩す「対抗馬」として白羽の矢が立った。2016年はドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で大ブレイク。自ら楽曲を手がけ、歌った主題歌の「恋」も大ヒット。一躍「モテ男」の座に躍り出た。
一見優男風だが、もともとはアンダーグラウンドなインストバンド・SAKEROCKのリーダーとして知られた男。反骨のカウンターカルチャー魂を秘めた遊撃手として、個性的なチームメイトからの信頼は厚い。
メインストリームに乗った今こそ、これぞ「華のある1番・遊撃手」というプレーを走攻守で期待したい。
■一塁:小林薫
若手の星野源の脇を固める内野陣には一塁に小林薫、二塁にジョニー・デップ、三塁に哀川翔という顔ぶれを選出。
小林薫はドラマ『深夜食堂』での演技を評価しての選出。夜半過ぎ、心の傷を隠しながら生きる者たちのリクエストに応え、「材料さえあれば、何でも作るよ」と、一品の料理をそっと差し出す包容力は本物の男にしかできない芸当。
一塁上でも、『深夜食堂』よろしく、どんな悪送球も「あいよ」と受け止める。そのキャッチングは涙ものだ。イップスに苦しむ選手も、これまでに何人も回復させてきたという。ただ、高齢のため打撃は期待できない。でも、一塁上にいてくれるだけで、皆が救われるのだ。
■二塁:ジョニー・デップ
「攻撃的な二塁手・二番打者」として助っ人のジョニー・デップ。バリバリの一流メジャー選手も気がつけば53歳。全盛期を過ぎたとはいえ、まだまだ日本球界で頑張っている、といったところか。ちなみに内野守備コーチ兼任で、若手野手にメジャーイズムを叩き込む。イメージとしてはクルーズ(巨人)のレジェンド版。
■三塁:哀川翔
ホットコーナーから鋭い眼光で威圧する哀川翔。一世風靡セピアの頃からぶれない闘争心とリーダーシップでチームをまとめる。気合いが入りすぎて、時折、定位置より5メートルくらいに陣取る前進守備はご愛嬌。
3番に座る打撃は典型的な「当たれば飛ぶ」。だが、ここ一番の勝負強さは見ものだ。ホームラン1本につき、カブトムシ1匹を子どもたちにプレゼントしているとか、なんとか……。
外野陣はまだまだ若手にはレギュラーを譲らない渋い男たち、というか、危うい匂いを漂わせる大人の男たちが揃って選出。皆、陰のあるおじさま、ということで女性人気は絶大だ。
■左翼:
陰があり、無骨。しかし、情にもろく愛嬌もある。そんなキャラクターで信頼を得ている大森南朋が左翼。無口だが、ここぞの場面で頼りになる男が、三塁で吠える哀川翔のバックアップを務める。強烈な左のラインだ。
打撃は地味だがしぶとい。クリーンアップに続く6番・大森、7番・西島秀俊という並びは、相手投手を疲弊させること必至。クリーンアップを打ち取っても、この2人の男が立ちはだかる。
■中堅:遠藤憲一
中堅には「エンケン」こと遠藤憲一。悪役系のバイプレーヤーとして長きに渡り出場数(出演数)は多数。若い頃から渋みのある男だったが、年をとるごとにその味わいは増すばかり。クセの強い外野陣でリーダーシップを発揮するのはエンケンしかいない。なお、打撃は期待できない……。
■右翼:西島秀俊
1990年代前半、20代前半のトレンディ俳優としてブレイクしかけるも挫折(一説には諸事情でホサれたという噂……)。しかし、30代中頃に復活。野球でいえば、カムバック賞を経て今や球界を代表する選手となった、というところか。
右翼の守備では、雌伏の10年で養ったポジショニング、勝負勘で打球の落下地点をいち早く判断。また、走者のボーンヘッドを見逃さない送球には「ぬるさを許さない鋭さ」がある。打順は7番。相手投手に「ほっと一息つかせない」よう下位打線から睨みをきかせる。
DHは石原軍団から舘ひろし! 「守備は面倒くさい」と、若い頃から打撃一筋。「台本は読まない!」という豪胆さで、守備のフォーメーションは覚えたことがない(そんなイメージです……)。
しかし、攻撃力は抜群。若き頃から数々の立ち回り、銃撃、爆破を(劇中で)くぐり抜けてきた男だ。敵を一発で仕留める「必殺」のひと振りで、修羅場のチームを何度も救ってきた。
わがままなところもあるが、チームメイト思いでもある舘。試合前におはぎを差し入れすることは欠かさないという(相手チームにも)。
なお、このチームの監督はドラマ『鬼平犯科帳』から中村吉右衛門(72歳)。アクの強い男たちをまとめあげる任は、泣く子も黙る「火付盗賊改方」の長官にしか務められない。そして、ヘッドコーチは石原軍団を率いる渡哲也(74歳)。もちろん、DH・舘ひろしのお目付け役でもある。
さて、妄想ベストナインはいかがだっただろうか。みんなもお気に入りのチームを組んでみよう!
文・山本貴政