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毎年恒例!? 今年の交流戦も、パ・リーグのボーナスステージとなってしまうのか?

 セ・パ交流戦が間近に迫った。2週間後の今月31日、パ・リーグの本拠地6球場で開幕。昨季から各カード3試合×6=計18試合制となり、今季との2年間でホーム&ビジターをひと回りする。

 さて、交流戦といえばパ・リーグの強さが目立つ印象がないだろうか。事実、年度別の勝敗記録を見ると、過去11年間で10度パ・リーグが勝ち越し。昨季も6球団合計で61勝44敗3分と実力差を見せつけ、順位でもパ・リーグが上位を独占した。

 果たして、今季の交流戦もパ・リーグの“ボーナスステージ”となるのか。各球団の注目ポイントを見ていこう。(成績は5月16日現在)

王者・ソフトバンクは今年も盤石!? ロッテの「逆転力」にも注目


 交流戦最多となる過去4度の優勝に加え、昨季も最高勝率をマークしたソフトバンク。

 今季もすでにリーグ首位を独走しているわけだが、とりわけ投手陣の充実ぶりがうかがえる。武田翔太、バンデンハーク、和田毅、千賀滉大の先発4本柱がゲームをつくり、サファテ、スアレス、森唯斗、森福允彦らの救援陣が勝利へ導く。速くて強い球を投げられる投手が多いだけに、対戦回数の少ないセ・リーグの打者たちは対応に苦労しそうだ。


 シーズン序盤から上位をキープしているロッテ。逆転勝ちがリーグ最多の14度と、多少のビハインドならどうってことない。14、15日の楽天戦でも相手に突き放されながら、追いつき追い越す大乱戦を制した。強力打線を擁する広島やヤクルトに対して、ノーガードの戦いぶりを見せる予感だ。



日本ハムは大谷の「リアル二刀流」に活路を見出す!?  楽天はビジターと救援陣の復調がカギ


 交流戦通算勝率.551はソフトバンクに次ぐ2位の日本ハム。試合巧者の印象が強い一方、今季イマイチ乗り切れないのは大谷翔平が勝てないことと無関係ではないだろう。これまでわずか1勝と、エースで白星を計算できない状況だ。状況打破のひとつの方法として考えられるのが、「リアル二刀流」の解禁。すでに7本塁打と好調の打撃を活かすべくDHを解除し、投打ともに活躍の場をつくることで波に乗らせるのもありかもしれない。


 楽天はビジターでの戦いぶりと、救援陣の復調が交流戦を乗り切るカギとなりそう。ここまでホームでは10勝8敗1分と勝ち越す一方、ビジターでは5勝13敗1分と大きく負け越し。日程の半分がビジターの交流戦で、踏ん張りを見せられるか。一方、救援防御率6.45と崩壊中のブルペン陣は復調できるのか。若きクローザー・松井裕樹の配置転換はないと首脳陣が明言しているだけに、彼の復調を待つのが最優先か。


オリックスは1番・西野で得点力アップへ、中村、メヒアの爆発に期待の西武


 オリックスは過去5年間で3度の勝ち越し。昨季はリーグで唯一負け越した(8勝10敗)ものの、阪神との関西ダービーは3戦スイープ、中日とDeNAにも敵地で勝ち越しと意地を見せた。今季も現状下位に沈んでいるが、5月に入ってからは1番・西野真弘、3番・糸井嘉男、5番・T-岡田でオーダーが安定。特に西野は打率ランキング上位に顔を出し、出塁率も自身が目標に掲げる4割を超えている。交流戦でも得点力の向上が見込まれそうだ。


 交流戦男のひとりとして名前が挙がるのが、西武・中村剛也。交流戦トップの通算67本塁打をかっ飛ばし、期間中の本塁打数1位にもここ5年間で3度輝いている。ケガさえなければ今季も「おかわり」が見られそうだ。そして、今季猛威を振るっているのが中村の前を打つメヒア。両リーグトップの15本塁打40打点を叩き出しており、両大砲の爆発がセ・リーグ投手陣の粉砕へつながる。




文=加賀一輝(かが・いっき)

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