今季の井口は、代打に限れば、引退を表明した6月20日まで16打席無安打だった。代打では、2015年が打率.320(25打数8安打)、2016年が.300(30打数9安打)と、ここ一番で勝負強さを発揮していただけに、そのあたりに年齢からくる衰えを感じていたのかもしれない。
ただ、今季のトータル成績は64試合に出場し打率.237(118打数28安打)。代打での数字を除けば打率.289となる。貧打にあえぐロッテ打線において、貴重な戦力だったことは間違いない。
8月28日には1軍登録を抹消され、残りシーズンは2軍で若手に混じって汗を流すという。残念な成績となっている今季のロッテだが、井口の背中から学ぶことはまだまだあるだろう。
ロッテの本拠地・ZOZOマリンスタジアムでは、井口の引退を惜しむイベントが組まれている。
9月10日のソフトバンク戦では、井口の背番号「6」モチーフにしたTシャツ(人気アパレルブランド、ナノユニバースのデザイン)が先着2万名に配布される予定。
そして、真の引退試合は、9月24日の日本ハム戦となる。当初はイベントデーとして、ブルーを基調とした「マリンフェスタユニフォーム」を着用する予定だったが、井口のラストゲームということで、本来のピンストライプのユニフォームに戻して試合が行われる。このあたりのロッテ球団の心使いはさすが。
9月24日のZOZOマリンスタジアムでは、涙を流すロッテファンも多いことだろう。
(成績は8月29日現在)
文=藤山剣(ふじやま・けん)