かつてほどの一極集中状態は解消されつつあるものの、やはり球界の1番人気球団は巨人。そして、それに続くのが阪神という図式は、いまだ健在だ。
その両球団の対決を盛り上げる企画「伝統の一戦 〜THE CLASSIC SERIES〜」が、今季も開催されることが両球団から発表された。
昨季同様に、両チームで共同制作したポスターなどのビジュアル展開を行い、第一弾として、ファンクラブ限定ではあるが、ビジターでの特典付きチケット(5月9、10日の東京ドームでの試合で阪神ファン向けのオリジナルハッピ付き、5月24、25日の甲子園での試合で巨人ファン向けに坂本勇人デザインのタオル付き)も発売される。
ちなみに、昨季の「伝統の一戦」を振り返ってみると、東京ドームでは両チームが6勝ずつと互角。
しかし甲子園では、阪神3勝に対して巨人が9勝(1引き分け)。屈辱とも言えるホームでの3連戦3連敗が、7月18日から20日、9月6日から9日と2度もあった(東京ドームでの巨人の3連戦3連敗はなし)。しかも、甲子園での阪神の巨人戦初勝利は、なんと9月19日。広島のリーグ優勝決定から1週間以上が経過していた。
トータルでは、25試合で巨人15勝、阪神9勝、1分という結果で、巨人が2位、阪神が4位というシーズン成績がそのまま反映される形となった。
今オフには、山口俊、森福允彦、カミネロ、吉川光夫、陽岱鋼、マギーら、投打にわたって大補強を行った巨人に対し、阪神はFA移籍の糸井嘉男が目立つ程度。このテコ入れ具合を考えれば、「伝統の一戦」は今年も巨人有利という下馬評になりそうだが…。
「ほかには負けてもいいから、巨人だけには勝たんかい!」と、巨人戦になるとヒートアップする虎党は多い。特に、甲子園で昨季のような体たらくはもう見たくないだろう。阪神ナインの奮起でファンも納得の熱戦になることを期待したい。
文=藤山剣(ふじやま・けん)