2014年に僅差の2位になったことから、昨季は期待が高まっていたにもかかわらず5位。そして今季は最下位と厳しいシーズンを終えたオリックス。
しかも、単なる最下位ではない。ペナントレースでパ・リーグ全球団に負け越しての最下位に加えて、オープン戦、交流戦、さらには2軍もウエスタン・リーグで最下位。これは史上初の不名誉な記録だという。
パ・リーグ全チームに負け越しているとはいえ、その内訳は、なんといっても日本ハム相手の8勝16敗1分が大きい。それと、交流戦の巨人、広島、DeNAに対して、3タテの詰め合わせで0勝9敗。これだけで借金17となる。
今季のオリックスのチーム成績をざっと見てみると、チーム打率.253、出塁率.317、防御率4.18はともにリーグワースト、失策数89がリーグ5位。打てず守れずで、なるべくしてなった最下位と言わざるをえない。
冒頭で紹介したように、オリックスの2軍は、ウエスタン・リーグで5チーム中最下位。つまり「兄弟最下位」となってしまったわけだが、これは、2013年に日本ハムがパ・リーグ、イースタン・リーグともに最下位となって以来、3年ぶりの惨事だ。
しかし、オリックスファンの方々は、希望を失わないでいただきたい。「兄弟最下位」となった日本ハムは、その翌年以降、2014年が3位、2015年が2位ときて、今季は歴史的な逆転劇での優勝。鮮やかすぎるVロードをたどっているのである。
2013年に最下位だった日本ハムは、5位との差は3.5ゲームだった。対して、今季のオリックスは5位と5ゲーム差。それぞれのシーズンの内容はともかく、ゲーム差だけ見れば状況はそう変わらない。日本ハムにできてオリックスにできないことはないだろう。
今季のオリックスの観客動員数は179万4475人で、これはソフトバンク、日本ハムに次いで3位。ファンの熱量は堂々のAクラスだった。これを意気に感じないようではプロとは言えまい。オリックス・バファローズの来季以降の立て直しに期待したい。
文=藤山剣(ふじやま・けん)