【2018年夏の甲子園 北福岡みどころ】文武両道の宿敵校エースが火花散らす! 大型に好素材多く一発攻勢の楽しみ多し
投手編〜ライバル校エースが火花を散らす
文武両道のライバル校エースの河浦圭佑(小倉)と石田旭昇(東筑)が、北福岡ナンバーワン投手を競う。
河浦は練習試合初戦の1イニング限定登板では145キロを連発、最後の打者を三球三振に打ち取ると、翌週の柳ヶ浦戦で14奪三振のノーヒットノーランを達成した。
大先輩・安田猛アドバイザー(元ヤクルト)直伝の変化球にも磨きがかかり、夏に向けて進化中だ。
実績なら石田に軍配が上がる。
昨秋、河浦との投げ合いを制して、2季連続甲子園出場をたぐり寄せた。
右サイドからのストレートとツーシームの球速差で、春季九州大会1回戦・長崎総大付打線を完封。
投球の幅が広がっている。
素材ナンバーワンは長身左腕・鬼塚柊(北筑)だ。
練習試合初戦で最速142キロをスカウト陣に披露。
ドラフト候補としての評価を上げた。
体幹トレーニングで長いリーチのリリースポイントが安定し、制球力もついてきた。
憧れの先輩・今永昇太(DeNA)に強気のマウンドさばきを学ぶ。
春季九州大会出場校のエースもいい。
小堤隆成(東筑紫学園)は「永射保(元西武ほか)2世」の異名を持つ。
奥宮種男前監督(元西武)ともバッテリーを組んだ同投手を意識し、フォームを改造した変則左腕。
相手打線に合わせ、硬軟織り交ぜる投球ができる。
下村海翔(九州国際大付)は春以降に急成長を遂げ、2年生世代ナンバーワン争いに参戦。
最速144キロのストレートとチェンジアップの制球が生命線だ。
岸本泰青(八幡)は130キロ未満の球速でも、スライダーとの絶妙なコンビネーションとテンポのいい投球リズムで流れを呼び込む。
140キロを超える「W北九州」の渡辺翔太(北九州)、岸本裕稀(北九州市立)や2年エースの松尾堅成(真颯館)も夏の上位進出を狙う。
野手編〜選手層の厚い優勝候補の2校
甲斐生海(九州国際大付)は選球眼がよく、うまいバットコントロール(技術)+高速スイング(パワー)を兼備する。
しなやかなで細身の立ち姿からオーラも溢れ、伸びしろを感じる。
巧打者の1番・中村貴浩、3番・甲斐、"おかわり"タイプの強打者である4番・戸高誠也が並ぶ「九国打線」は破壊力抜群だ。
九州国際大付と双璧の東筑打線は、先輩・仰木彬(元西鉄)らで三原修監督(元西鉄ほか)が組んだ「流線形打線」を彷彿とさせる。
「2番打者最強論」を地で行く田中将悟は、昨秋に小倉の河浦から劇的なサヨナラ本塁打を放った。
昨夏甲子園でスーパーキャッチを披露した俊足・阿部泰晟、どっしりと4番に座る和久田秀馬と個性派揃いだ。
今夏は大型選手に好素材が多い。
松井義弥(折尾愛真)のアッパースイングは、観客の胸がすくほどの豪快さがあり、必見だ。
山上壮志郎(八幡)と重松凱人(戸畑)は大柄ながら機敏で、かつパンチ力もある。
進学校野手には稀有なスケールが大きい選手たちだ。
小柄なのを感じさせないパンチ力が武器の櫻田晃生(真颯館)や夏のシードを引き寄せた満塁弾を見舞った片淵一葵(飯塚)の一発攻勢も夏の楽しみだ。
大会展望〜3季連続目指す東筑を追う2校
投手ばかりがクローズアップされる東筑だが、どこからでも得点できる打線の破壊力はここ10年を振り返っても、2011年センバツ準優勝の「九国打線」に匹敵する。
追うのは、ライバル校・小倉OBが監督を務める北九州市内の2校だ。
九州国際大付は層の厚さ、小倉は絶対エースで立ち向かう。
秋春と上位に食い込んだ東筑紫学園と県屈指の左腕擁する北筑は、エースがチーム浮沈の鍵を握っている。
春季九州大会1勝の八幡は、試合運びのうまさと粘りで勝負に待ちこみたい。
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