決まってみれば下馬評通り。巨人が文句なしのセ・リーグ3連覇を達成し、原辰徳監督は8回宙を舞った。
先週月曜の時点で巨人のマジックは「5」。そこから、杉内俊哉、菅野智之の先発試合で順調にマジックを減らし、優勝が決まった試合も先発・内海哲也が粘りのピッチングを見せた。今季、それぞれ不調やケガで思うようにいかない時期もあったが、9月に限っては杉内3勝1敗、菅野3勝、内海3勝1敗。「エース」と呼ばれる男たちが最後の最後でしっかり結果を残したのは大きかった。
ペナントレースとともに注目のクライマックスシリーズ出場権争いは、26日に広島が、27日に阪神がそれぞれ3位以内を確定させ、セ・リーグのポストシーズン進出チームは決定した。あとは、広島と阪神のどちらが2位となり、CSファーストステージの本拠地開催権を獲得するのかが焦点だ。先週、2位・広島が2勝4敗と負け越し、3位・阪神が3勝2敗と調子を上げてきた。これにより、28日の試合終了時では、ゲーム差なしの勝率1厘差に。残り試合は広島が4試合に対して、阪神は3試合。鍵は10月1日の直接対決か?
前代未聞の優勝争いだ。ソフトバンクとオリックスの、壮絶な“共倒れ”合戦が続くパ・リーグ。首位・ソフトバンクは、優勝を目前にしながら9月28日の日本ハム戦で今季初の5連敗。ここ9試合で1勝8敗と、信じられない大失速を喫した。
一方、25日には2位ながらマジック7が点灯したオリックス。パ・リーグでは1998年以来、16年ぶりの珍事だが、こちらも直近の9試合で3勝6敗。ソフトバンクが負けている時に勝利すれば、優勝にグッと近づくチャンスを、モノにできなかった。残り試合は全て敵地で、29日からの試合で2敗以上した時点で、オリックスの優勝は消える。
去年の小川泰弘(ヤクルト)と菅野智之(巨人)の新人王争いもハイレベルだったが、今年も好成績を収めている新人選手が多く、なかなか悩ましい。
現在、新人王レースで頭ひとつ抜け出しているのが9月25日の試合で2ケタ勝利を達成した広島の大瀬良大地。年間を通してローテーションを守っただけでなく、チームに負けが込んだ9月に3勝。新人王は記者投票で決まるだけに、シーズン終盤で数字が伸びた点は評価されやすいはずだ。
大瀬良の対抗馬が中日の二人のリリーフ投手、又吉克樹と福谷浩司だ。又吉は現在31ホールドポイント。一時は最優秀中継ぎのタイトル争いに加わり、さらには勝ち星も9勝と大活躍を見せた。一方、2年目のシーズンながら、昨季ケガでほとんど出番のなかった福谷は、去年の分まで投げるかのように今季70試合に登板。又吉を上回る34ホールドに加え、防御率も1点台と安定した投球を見せているのが魅力だ。岩瀬仁紀が離脱してからは抑えに回り9セーブ。もし、中継ぎに専念していたら、タイトル争いに絡んでいただろう。
実は今週のタイトル争いについて、中田翔(日本ハム)が100打点を超えたこともあり、お題は打点王争いに決めていた。ところが中田に次ぐのが88打点のペーニャ(オリックス)で、残り試合を考えると中田の打点王は当確といってよい程の大差がついている。そこでお題を急遽変更。正式なタイトル争いではないが、意外に白熱(?)している、三振王争いに注目した。
まずは150三振に手が届きそうなランキング1位のメヒアと、5位の中村剛也について。西武は134試合目でチーム三振数を1152とし、日本ハムが2005年(136試合制)に作った1151のチーム三振ワースト記録を更新。これは両リーグを通じてプロ野球記録だ。なかでも、本塁打王を争うメヒアと中村が大きく貢献している。
2位のジョーンズは、27日の試合で今季114四球を突破。これは1998年に片岡篤史(当時日本ハム)を抜いて、リーグ新記録となった。安打数よりも四球数が多く、さらに三振数はその上をいくジョーンズの成績が、いかにしてこのように並ぶのか、気になるところだ。3位の西川遥輝(日本ハム)や4位の柳田悠岐(ソフトバンク)ら、今季から本格的にレギュラーに定着した選手にとって、三振数をいかに減らしていくかは、来季に向けての課題となるだろう。また、現在、チームの1番打者を担う西川と柳田。これから行われるCSでは、出塁して流れを作るか、それとも三振を喫してチームの流れを止めないか、注目して観戦してみよう。