1位 内海哲也(巨) 30,769,231円 13登板 推定年俸4億円
2位 黒田博樹(広) 28,571,429円 21登板 推定年俸6億円
3位 金子千尋(オ) 26,315,789円 19登板 推定年俸5億円
4位 マイコラス(巨) 24,000,000円 10登板 推定年俸2億4000万円
5位 バンデンハーク(ソ) 20,000,000円 10登板 推定年俸2億円
※対象は10登板以上した先発投手
(成績は8月28日現在、1登板の値段は小数点以下四捨五入、巨=巨人、広=広島、オ=オリックス、ソ=ソフトバンク)
こちらは1登板あたりの値段が高い(=コスパが悪い)先発投手のランキング。球界を代表する高年俸投手が揃った。巨人、ソフトバンク、オリックスの“高年俸御三家”の投手が5人中4人を占めている。
1位の内海哲也(巨人)は、2011年に18勝、2012年に15勝で連続最多勝のタイトルを獲得した巨人のエースだったはず。ところが、そのオフに推定年俸4億円の4年契約を交わしてから歯車が狂い始め、成績が目に見えて下降した。
昨季が5試合の登板で2勝に終わったので、今季は持ち直した感じはするが、開幕には間に合わず最終的に10勝できるかどうか。これでは年俸に見合う働きができているとはいい難い。長期契約は今季で終了となるだけに、このオフは球団も大ナタをふるうだろう。
3位の金子千尋(オリックス)も2015年から2018年までの4年契約(推定年俸5億円)。そして内海と同様に成績が低迷している。先発として登板数はそれなりにこなしているが、昨季の7勝に続き今季も同レベルの成績に終わりそうで、このままでは不良債権化しかねない。
4位のマイコラス(巨人)は右肩の違和感で開幕出遅れ、5位のバンデンハーク(ソフトバンク)は蓄積疲労のため途中離脱。昨季、華々しい活躍を見せたふたりの外国人投手だったが、2年目の今季は、年間を通してグラウンドに立てず……。当然登板数は減り、コスパは悪化してしまった。
1位 五十嵐亮太(ソ) 14,000,000円 25登板 推定年俸3億5000万円
2位 サファテ(ソ) 9,259,259円 54登板 推定年俸5億円
3位 増井浩俊(日) 8,800,000円 25登板 推定年俸2億2000万円
4位 オンドルセク(ヤ) 7,333,333円 30登板 推定年俸2億2000万円
5位 平野佳寿(オ) 6,666,667円 45登板 推定年俸3億円
※対象は20登板以上したリリーフ投手
(成績は8月28日現在、1登板の値段は小数点以下四捨五入、ソ=ソフトバンク、日=日本ハム、ヤ=ヤクルト、オ=オリックス)
続いて、登板あたりの値段が高い(=コスパが悪い)リリーフ投手のランキング。ソフトバンクのリリーフ陣が不名誉なワンツーを決めた。
アメリカから帰国し、ソフトバンク入団後の3年間は50登板以上をクリアしていた五十嵐亮太だったが、今季は4月に左太ももの肉離れで2カ月間のリタイア。登板数が稼げず、登板数部門のコスパランキングワースト1位になってしまった。
9月22日に行われた日本ハムとの首位決戦で、中田翔に手痛い一発を浴びるなど、昨年は1.38だった防御率も、9月22日時点で3.62まで後退。投球内容も精彩を欠いている。
一方のサファテ(ソフトバンク)は、シーズン終了を待たずに2年連続のセーブ王を確定させている。しかも、自身の持つシーズンセーブ記録(41セーブ)更新の可能性もかなり高い。
コスパワーストランキングに名前が入ってしまうのは、投手では黒田博樹(広島)に次ぐ推定5億円の高年俸のため。とはいえ、相次ぐリリーフ失敗で、9月22日時点で7敗を喫しており、中身がもうひとつピリッとしないのも事実だが……。
先発投手の登板部門コスパランキングベスト5に、リリーフから先発に回った日本ハムの高梨裕稔と加藤貴之がランクインしていたが、増井浩俊(日本ハム)も配置換えによる同様のパターン。
集計期間中(8月28日現在)はリリーフでの登板のほうが多く、また高年俸でもあるため、ワースト3位にランクインしてしまっているが、8月から先発に転向し、9月17日までの7登板で5勝1敗。
ペナントレースの勝負どころとなるお盆明け以降、ずっと好投を続けている。チームへの貢献度は非常に高い。
文=藤山剣(ふじやま・けん)