今季のセ・リーグの代打安打ランキングの上位10傑は以下の通りだ。
1位:伊藤隼太(阪神)
17安打(代打打率.258/2本塁打/8打点)
2位:西川龍馬(広島)
15安打(代打打率.341/2本塁打/13打点)
3位:亀井善行(巨人)
13安打(代打打率.342/0本塁打/17打点)
4位:脇谷亮太(巨人)
12安打(代打打率.267/0本塁打/0打点)
5位:亀澤恭平(中日)
11安打(代打打率.440/0本塁打/3打点)
6位タイ:新井貴浩(広島)
10安打(代打打率.323/1本塁打/10打点)
6位タイ:松井佑介(中日)
10安打(代打打率.400/1本塁打/8打点)
6位タイ:大松尚逸(ヤクルト)
10安打(代打打率.152/2本塁打/11打点)
9位タイ:荒木貴裕(ヤクルト)
9安打(代打打率.290/1本塁打/5打点)
9位タイ:石川慎吾(巨人)
9安打(代打打率.257/1本塁打/3打点)
(成績は10月3日現在、カッコ内の成績は代打時のもの)
リーグトップの代打安打数をマークしたのは伊藤隼太(阪神)。9月10日のDeNA戦では、同点の9回裏2死満塁という場面で代打起用され、ライトフェンス直撃のサヨナラ二塁打を放つなど、印象的な活躍が多かった。
代打の起用が増えたため、打席数はそう多くないが、出場試合数は73試合。これまで最多だった2015年の63試合をすでに上回った。2011年のドラ1の存在感がここにきて高まっている。
さすがの勝負強さを見せているのが新井貴浩(広島)だ。シーズン打率.292も上々だが、代打では.323と、それ以上のアベレージを残している。しかも、代打での8四球はリーグトップ。緊迫した場面でも冷静にボールの見極めができている証にほかならない。40歳のベテランが、まさに「不惑」の打席を実現していると言えよう。
大松尚逸(ヤクルト)は代打打率.152。このランキングの中では最下位ながらも、リーグ3位の11打点を挙げている。また、2本の代打ホームランは、いずれもサヨナラ弾。その反動というわけではないだろうが、17三振はリーグ最多となってしまった。三振を恐れず、常に「狙って」打席に立っているということか。対戦するバッテリーとしても、大事な場面で振ってくる打者は怖いもの。今後も、豪快な一打に期待したい。
ちなみにリーグ最多の代打本塁打を記録したのは、ここにはランクインしていないが、バティスタ(広島)だ。代打では7安打(31打数)で、その内訳は、6月3、4日に放った2試合連続代打アーチ(1軍初打席から2打席連続本塁打でもあった)を含む本塁打4本、二塁打1本、単打2本。6月に支配下登録されてからの出場だったにも関わらず、トータルでも11本塁打と破格のパワーを見せつけた。
最近は、「カタコト通訳」でおなじみのクレートさんとともに上がるお立ち台でのヒーローインタビューも大人気。個性的な実力者が多いことも広島の強さの一因だ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)