7月30日のソフトバンク対日本ハムの一戦で、中島卓也(日本ハム)がプロ初の本塁打を放った。9年目の2287打席目での初本塁打は、村松有人(元ダイエーほか)を抜いて、最も打席を要した1号となった(※)。
しかも、中島は野球を始めた小学生の頃から、公式戦で本塁打を打ったことはないと語っている。この1発は生涯初の本塁打でもあったのだ。
余談ながら、テレビのバラエティ番組で「人生で一度もホームラン打ったことないプロ野球選手などいない説」の検証があったが、中島の申告によりこの仮説は覆された(同番組で取材した限り、投手では多数存在。野手では中島のみ)。
(※)岡田幸文(ロッテ)は2483打席本塁打なしを継続中。
そんな中島の真骨頂は、自他ともに認める粘りの打撃。特にファウルについては2015年に599本、2016年に759本と2年連続で両リーグ最多のファウル数を稼いだ。
選球眼もよく、1打席あたりの中島に対する投手の平均投球数も2015年に4.32球、2016年に4.54球でこちらも両リーグトップ。
イチロー(マーリンズ)の安打数をカウントする「イチメーター」の登場以降、日本でもさまざまな選手の安打メーターが球場に設けられているが、中島のファウルをカウントする「ファウルメーター」まで登場。1打席で1カウントあるかどうかの安打数ではなく、場合によっては10カウント以上もありえるので、メーターを操作する方は大変そうだが……。
7月6日から9日にかけて、日本ハムの恒例イベント「第3回 彼氏にしたい選手No.1決定戦」が札幌ドームで開催された。このイベントは、オフィシャルファンクラブで好きな選手トップ20に入る選手のなかから、ファンが「彼氏にするならこの選手!」という選手に一票を投じてナンバーワンを決めるというもの。
イケメン揃いの日本ハムの選手のなかで、大谷翔平や西川遥輝といった「強豪」を抑えて中島が第1位に輝いた。中島は一昨年からこのイベントで三連覇を達成。女性ファンからは不動の一番人気という地位を築いている。
今季の中島は、一時ケガによる離脱もあり、本調子とはいえない。しかし、何とか立て直し、田中幸雄や金子誠に次ぐ日本ハム不動の遊撃手としてチームに貢献してほしい。
文=サトウタカシ (さとう・たかし)