日本シリーズ3連敗4連勝、シーズン42勝など、記録にも記憶にも残る大投手・稲尾和久(元西鉄)。しかし、登板過多がたたって肩痛に悩まされた1964年は現役で唯一の0勝に終わった。回復のために、あらゆることに取り組んだ結果、球威やキレは明らかに落ちていたものの、1965年2月に再び投げられるようになる。投げられる喜びで満たされた稲尾はここから奮起し、この日、1年8カ月ぶりに白星を手にした。