ドラフトの成果をもっとも早く、確実に判断できる基準といえば、やはり「新人王」を獲得できたかどうかではないだろうか。
2014年のドラフトは安樂智大(済美高→楽天1位)、有原航平(早稲田大→日本ハム1位)、高橋光成(前橋育英高→西武1位)らが目玉となった投手豊作の年だった。
そんな実力者揃いのなかでDeNAが1位指名した選手が、昨シーズンの新人王を獲得した山崎康晃(亜細亜大)だ。デビュー当時からストッパーとして圧倒的な存在感を放ち、不動の位置を築いた。山崎が登場する際にDeNAファンが行う恒例の「康晃ジャンプ」も今年のCSで全国区となった。
また同年は、今季のローテーションを支えた左腕・石田健大(法政大・2位)も指名。石田は初年度こそ2勝6敗だったが、ベンチの評価は高く、2016年は9勝4敗の成績で期待に応えた。先日の侍JAPANの強化試合のメンバーにも選出された。
2014年のドラフトは山崎、石田だけでも十分に成功だったが、今シーズン141試合に出場し、打率.294を残した倉本寿彦(日本新薬・3位)も獲得している。シーズンの最後に3割を切ってしまったが、シーズンのほとんどで打率3割をキープし、ショートのレギュラーを手中に収めた。
2015年のドラフトの成果といえば、やはり投手の今永昇太(駒澤大・1位)で異論はないだろう。伸びのあるストレートを武器に、ルーキーイヤーの今シーズンは22試合に先発し、8勝9敗の成績を残した。新人王候補の一角と目されており、11月28日に発表される新人王に選ばれるか楽しみだ。
そして忘れてはいけないのが、正捕手を務めた戸柱恭孝(NTT西日本・4位)。ルーキーイヤーながら124試合でマスクを被った。とくにキャッチングとスローイングは安定しており、ラミレス監督も全幅の信頼を寄せている。
2013年も粒ぞろいの選手を獲得したドラフトだった。今シーズンのCSでもラッキーボーイぶりが健在だった嶺井博希(亜細亜大・3位)。59試合に登板し、チーム最多の32ホールドを記録した三上朋也(JX-ENEOS・4位)。要所で代打の切り札として存在感を見せた関根大気(東邦高・5位)。育成から這い上がり、今シーズン17試合に登板して2勝2敗の成績を残した砂田毅樹(明桜高・育成1位)もこの年に指名した選手たちだ。
2016年のドラフト指名選手たちが、来シーズンどれだけチームに貢献するのか? 気が早いのは重々承知しているが、今から楽しみでならない。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)