【2004年(アストロズ)】
74試合:6勝6敗/24ホールド/2セーブ/防御率3.59/WHIP1.30
【2005年(巨人)】
4試合:0勝2敗/防御率23.63/WHIP4.12
10年のときが経ても巨人ファンのみならず、プロ野球ファンの心にしっかりと残るほどのダメっぷりを露呈したミセリ。守護神を任されたが、開幕から3戦連続大炎上。さらには2軍調整を頑なに拒否。4月19日に解雇され、浅草観光をして帰った伝説の「炎上王」だ。
しかし、思い返せばミセリも巨人に来る前年はバリバリメジャー投手。150キロを超えるストレートは「ミサイル」と称され、セットアッパーを務めることもあった。本人も自信満々で「50セーブ」を宣言するなど、このときも「守護神問題は解決」かと思われた。
まさか、飛行機で太平洋を越ええているうちに球速が10キロ以上下がるとは……。実績はあったが完全なる調整不足だった。
【2010年(ヤンキース/パイレーツ)】
53試合:4勝3敗/3ホールド/防御率4.66/WHIP1.32
【2011年(オリックス)】
7試合:1勝5敗/防御率4.29/WHIP1.33
韓国人初のメジャーリーガーとしてMLB通算124勝を挙げた朴賛浩。カミネロと同様に、来日前年はビハインド時中心のリリーフを担っていた。オリックスで約5年ぶりの先発復帰を目指したが、来日時にはすでに37歳。衰えが目立ったが、ファン対応や練習への熱意など、いい評判を残して韓国球界に戻った。
【2012年(レッドソックス)】
56試合:4勝1敗/1セーブ/23ホールド/防御率4.50/WHIP1.48
【2013年(ソフトバンク)】
16試合:3勝6敗/3ホールド/防御率3.84/WHIP1.14
やや影が薄いが2013年にソフトバンクに在籍したパディーヤも前年の実績は抜群だった。もともとは先発でMLB通算108勝の実績を持つ投手。来日時は35歳という年齢もあり、前年はリリーフ起用だったが、本人の先発志向とソフトバンクの手薄な先発事情が噛み合って、先発起用前提での獲得になった。
しかし、先発から遠ざかっていたこともありスタミナ切れが目立ったほか、チーム事情もあり、大きな成果は残せず。それでも腐らずに2軍で調整し、夏場はリリーフ起用も快諾。顔は怖いがナイスガイだった。
【2014年(レッズ)】
40試合:3勝3敗/4ホールド/防御率5.49/WHIP1.61
【2015年(ヤクルト)】
72試合:5勝2敗/33ホールド/防御率2.05/WHIP1.05
今夏の大暴れの末の帰国はさておき、オンドルセクもバリバリメジャー組。前年の防御率、WHIPはイマイチだったが、身長2メートル超からの剛速球は日本球界では異次元の角度。初物らしさを出した迫力の投球でセ・リーグ最多ホールドに輝いた。
【2015年(レンジャース)】
33試合:0勝0敗/防御率4.50/WHIP1.34
【2016年(日本ハム)】
37試合:8勝8敗/6ホールド/防御率3.65/WHIP1.44
日本シリーズではMVP級の活躍を見せたバース。シーズン中もリリーフ、先発と器用にこなし、陰の立役者となった。前年はレンジャースで33試合に登板。突出した成績ではなかったが、期待通りの役割を果たした。
メジャーでの先発は2012年が最後。マイナーでも主に先発を務めたのは2013年が直近だが、来日時は28歳と若く、体力に問題はなし。ちょうど脂が乗ってくるころだった。
これらの投手を見る限り、前年に「バリバリメジャー」であっても、簡単には安心できない……、ということになりそうだ。カミネロも数字上では不安が残っている。
今季は60回2/3を投げ、与四死球38、被安打67、被本塁打7、WHIP1.65。コントロールが悪く、なおかつ被安打、被本塁打も少なくない。典型的な「劇場型」だ。クイックもうまくはないようで粗削りの印象は否めない。
火の出るような剛速球を早く日本で見てみたいが、戦力としての評価はキャンプ、オープン戦に持ち越したい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)