ポストシーズン真っ盛りのプロ野球。ただ、それはペナントレースで生き残った上位チーム、しかも1軍選手の話。
この時期、宮崎で行われる「フェニックスリーグ」では、今季、悔し涙を流した選手たちの来季に向けての戦いがすでに始まっているのだ。
野球ファンならその名前は耳にしたことがあるだろう。今季はヤクルトのバレンティンが、CS(クライマックスシリーズ)のファイナルステージまでに実戦での試合勘を取り戻そうと、志願して出場したことでも話題になった。その効果もあったのか、バレンティンの活躍もあってヤクルトは見事にCSを突破。日本シリーズに挑む。
フェニックスリーグの成り立ちは1990年9月。当時のイースタンリーグ6球団参加での「教育リーグ」として、首都圏の球場を中心に行われたことがルーツだ。
その後は高知での「黒潮リーグ」、沖縄での「ハイサイ沖縄リーグ」と場所や名称を変えながらも続けられ、そこに独立リーグ勢や韓国、台湾の球団も参加。さらには、プロ・アマの交流戦なども開催され、単なる2軍のリーグ戦という枠を超える大会となっている。
現在の「フェニックスリーグ」という名称は2004年10月からで、宮崎市を中心としてイースタンリーグ6球団が参加したのが始まり(この年、ウエスタンリーグの6球団は、高知で「よさこいリーグ」を開催)。
翌2005年には12球団参加となり、2006年には韓国のプロ球団も参加。そんな紆余曲折ありながら、2011年からは日本の12球団、四国アイランドリーグplusの選抜チーム、韓国の斗山ベアーズ、ハンファイーグルス、LGツインズの全16チームで144試合を消化する形が定着している。
今年の開催日程は10月5日〜26日で、期間中は毎日12時30分から試合が行われる。会場は、巨人の春季キャンプ地としてもおなじみの「KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎」など8カ所。1軍の試合に出場経験のある若手選手も少なくなく、見ごたえも十分だ。
しかも、入場はなんと無料。近隣の方、あるいはこの時期に出張や観光で宮崎を訪れる予定のある方は、NPBの公式サイトに日程や会場等が出ているので、球場に立ち寄ってみてはいかがだろうか。
文=藤山剣(ふじやま・けん)