■代打記録
通算代打回数1位(778回)
通算代打安打1位(186安打)
通算代打打点1位(118打点)
通算代打778回、通算代打安打186本、通算代打打点118の日本記録保持者は宮川孝雄(元広島)。
現役時代のほとんどを代打の切り札として過ごし、1963年から1967年にかけては5年連続で代打打率が3割を超え、1972年には代打打率.404をマークするなど、今も日本を代表する「代打の神様」だ。
死球で出塁することもいとわず、内角球には気合で当たりにいったプロフェッショナル。引退後はスカウトに転身し、北別府学や前田智徳(ともに広島)らを発掘した。
■代打記録
通算代打回数2位(757回)
通算代打安打2位(158安打)
通算代打打点2位(111打点)
桧山進次郎(元阪神)がマークした通算代打757回、通算代打安打158本、通算代打打点111はいずれも宮川に次ぐ2位。平成の「代打の神様」といえば桧山だろう。
2006年にスタメンの座を追われ、はじめは代打で結果を残せなかった。しかし、「練習の1球目を最も大事にする」、「出番が近づくとベンチに出てグラウンドの明るさに目を慣らす」など、代打の習慣を見直して進化を続けた。
桧山に影響を与えたのは同じく阪神で「代打の神様」と呼ばれた八木裕。八木の代打打点98も歴代5位の記録である。
■代打記録
通算代打本塁打1位(27本塁打)
通算代打打点3位(109打点)
通算代打サヨナラ本塁打1位タイ(3本塁打)
高井保弘(元阪急)の通算代打本塁打27本は今もなお世界記録。守備に難があったが、打撃は一流。特に投手のクセ読みは名人の域で、ここぞの場面で打席に向かう際には「お前ら帰る準備しとけや!」とベンチにサヨナラ宣言をしていたという。1974年のオールスターゲームでは代打逆転満塁サヨナラ本塁打を放った。
高井の活躍がバットマンの認識を変え、指名打者制が導入されたともいわれている。
■代打記録
通算代打率1位(.349)
通算代打サヨナラ本塁打1位タイ(3本塁打)
通算1位の代打率.349(300打席以上)の大記録を残しているのは小さな大打者・若松勉(元ヤクルト)。高井と並ぶ、3本の代打サヨナラ本塁打も放っており、うち2本は2試合連続という偉業を成し遂げている。
■代打記録
シーズン代打打点1位(30打点)
現役晩年の1994年にシーズン代打打点30の記録を残したのは真弓明信(当時阪神)。すさまじいのはその内容。なんと17安打で30打点を記録したのだ。1980年代の活躍も伝説的だが、引退前年にも伝説を作っていた。
■代打記録
シーズン代打回数1位(98回)
シーズン代打安打数1位(31安打)
いぶし銀のプレーヤーであったヤクルト・真中満監督だが、現役晩年の2007年にシーズン代打数98回の日本記録を樹立。31安打を放ち、こちらも日本記録。頼れる「代打の神様」だった。そんな因果もあってか代打采配がさえ渡る。
■代打記録
通算代打満塁本塁打1位タイ(4本塁打)
通算4本の代打満塁本塁打をマークした「代打の満塁男」が藤井康雄。特にオリックス時代の2001年には3本の代打満塁本塁打を記録した。9回2死、3点ビハインドからの代打逆転サヨナラ満塁本塁打を放ったのは長いプロ野球の歴史のなかでも藤井ただ一人である。
■代打記録
通算代打満塁本塁打1位タイ(4本塁打)
通算代打本塁打2位(20本塁打)
藤井と並ぶ4本の代打満塁本塁打をかっ飛ばし、広島で切り札を担った町田公二郎。通算代打本塁打も20本で歴代2位。うち1本は偵察メンバーからの交代で打席に入っての「代打初回先頭打者本塁打」である。
文=落合初春(おちあい・もとはる)