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《見る前に読む! 侍ジャパンのキモ》守備編〜準決勝からは天然芝。芝になれた菊池涼介の出番か!?


 2017WBCで小久保監督が掲げるのは、投手力を中心とした守り勝つ野球。それを実現するには、投手陣を盛り立てるバックの力が不可欠だ。

 昨秋の強化試合でも、相手の守備の乱れにより勝ちを拾った試合もあった。つまり、その逆もありうるということ。

 今回の選出メンバーで、どういった守備陣容が考えられるのか。推察してみたい。

【内野陣】芝のグラウンドでは守備力も重視か


 小久保監督がもっとも頭を悩ませるのが内野の布陣だろう。「WBC使用球は滑る」というのが定説にもなっており、ボールに触れる機会が多い内野手は、より安定したグラブさばきと安定したスローイングが求められる。

 指揮官のメンバー決定時の記者会見、さらには2月14日までに終えた12球団のキャンプ視察後の発言などをまとめると、各ポジションに入る可能性がある選手はこのあたりか。

■一塁
中田翔(日本ハム)
内川聖一(ソフトバンク)

■二塁
山田哲人(ヤクルト)
菊池涼介(広島)

■遊撃
坂本勇人(巨人)
田中広輔(広島)
菊池涼介(広島)

■三塁
松田宣浩(ソフトバンク)
菊池涼介(広島)
田中広輔(広島)

 打撃との兼ね合いもあるので、簡単には決められないところだが、上記のなかで、各ポジションの最上段に置いた選手が、まずはスタメンに名を連ねる可能性が高そうだ。

 ただ、人工芝の東京ドームで行われる1次、2次ラウンドを突破した場合、準決勝、決勝の舞台は天然芝のアメリカ・ドジャースタジアム。そうなると、同じ天然芝のマツダスタジアムが本拠地の広島勢、とくに菊池涼介の起用がポイントになってきそうだ。

 二塁・菊池、遊撃・坂本勇人(巨人)の二遊間で、打力を生かしたい山田哲人(ヤクルト)をDHに回すというオプションも発動されるだろう。

【外野陣】守備力と打力を考慮した起用


 一方、外野は、内野に比べると守備の負担は少ないだけに、本職ではない位置に入れることも予想される。ポジションごとに振りわけると、以下のように予想される。

■左翼
筒香嘉智(DeNA)
秋山翔吾(西武)
内川聖一(ソフトバンク)

■中堅
青木宣親(アストロズ)
秋山翔吾(西武)

■右翼
鈴木誠也(広島)
青木宣親(アストロズ)
平田良介(中日)
秋山翔吾(西武)

 昨シーズン、主に中堅を守ったのは秋山祥吾(西武)のみ。秋山が中堅に入るのが定石とも思われるが、小久保監督は、中堅は青木宣親(アストロズ)で考えている様子。メジャーでは右翼中心の青木だが、ヤクルト時代は不動の中堅でゴールデン・グラブ賞の常連だった。中堅でも問題はないだろう。

 そうなると、右翼は鈴木誠也(広島)か。プレミア12で見せた平田良介(中日)の勝負強い打撃も捨てがたい。

 左翼は、筒香嘉智(DeNA)が本命だが、DHでの起用となれば、小久保監督が外野3ポジションでの起用を示唆している秋山が入ることになる。内川聖一(ソフトバンク)も、昨シーズンは一塁中心だったが、2015年は左翼で114試合に出場。非常事態になれば出番があるかもしれない。


【捕手陣】重陽されるのは大野奨太か


 捕手は、大野奨太(日本ハム)、嶋基宏(楽天)、小林誠司(巨人)の3名。昨秋の強化試合では、小林が2試合、嶋と大野が1試合にそれぞれスタメン出場。トータルの経験では嶋がリードしているが、キャンプで足の張りを訴えており、本調子で臨めるかどうか。

 昨秋のオランダとの強化試合でのサヨナラ打を放ち、キャンプでは小久保監督視察時の紅白戦で2安打を放ったことで、大野の印象がアップしている感はある。いずれにしても、強化合宿や壮行試合での調子、投手との相性を考慮しての起用となるだろう。


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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