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いざ出陣! 侍ジャパンのカープ戦士・鈴木誠也、菊池涼介はWBCでも「神れる」のか!?


 1月24日、WBC第4回大会の代表メンバーが追加発表された。残り1名の枠が空いているものの、メンバーはこれでほぼ決まり。残り1名には田中広輔の名前も挙がっているが、現時点では、広島からは鈴木誠也、菊池涼介の2人が選出されている。

 今回は、鈴木と菊池を過去3大会のWBCに出場した広島選手と比較しながら、彼らが代表でどのような活躍ができるのか考察してみたい。

出番に恵まれなかった過去3大会


 過去の3大会には、広島からは以下の選手が代表に選ばれた。

■WBC第1回大会(2006年)
黒田博樹
左手人差し指の負傷により出場辞退

新井貴浩
2試合:打率.333(3打数1安打)/0本塁打/0打点

■WBC第2回大会(2009年)
石原慶幸
1試合:打率.000(0打数0安打)/0本塁打/0打点

栗原健太
2試合:打率.000(3打数0安打)/0本塁打/0打点
※村田修一の負傷により準決勝から追加招集

■WBC第3回大会(2013年)
前田健太
3試合:2勝1敗/防御率0.60

今村猛
2試合:0勝0敗/防御率13.50

 前田健太(現ドジャース)は、第3回大会でエースとして八面六臂の活躍を見せるも、それ以外の選手は、活躍はおろか満足に出場すらできていない。

 第1回大会では、前年の本塁打王・新井貴浩はわずか3試合の出場。しかもその全てが代打での出場となっている。

 第2回大会の代表メンバー・石原慶幸は、野手で唯一、打席に立つことなく同大会を終えている……。

鈴木誠也が世界を相手に神っちゃう!?


 過去の大会では広島の野手が活躍する場面がなかったが、今大会は鈴木、菊池にかかる期待は大きい。

 特に鈴木は “右打ちの外野手”の1番手と目されており、スタメンに名を連ねる可能性は高い。

 昨シーズン、鈴木は打率.335、29本塁打、95打点と見事な成績を収めている。しかも、数字以上に“ここ一番”での印象的な活躍が際立った。

 昨年11月に行われた侍ジャパンの強化試合のオランダ戦では、延長10回に勝ち越し満塁弾を放つなど劇的な活躍。WBCで広島の代表選手がまだ成し遂げていない“初打点・初本塁打”を期待したい。

 また、守備に関しても期待は高い。球界一とも言われる鈴木の強肩から、外国勢相手に“レーザービーム”が放たれるのか? こちらも見ものである。

 昨季の広島の快進撃を象徴する鈴木。WBCでも“神って”ほしい。


メジャーを震撼させた好守


 一方の菊池は、現状では起用法が固まっていないようだ。というのも、二塁には侍ジャパンの中心打者・山田哲人(ヤクルト)がいるからだ。

 守備では菊池に分があるが、総合力で見れば山田を外すわけにもいかない。強化試合では山田を三塁に回し、菊池との併用を試みたが、慣れない三塁の守備で山田は極度の不振に陥ってしまった。

 これを見て小久保監督は「山田の三塁での起用はない」と明言。二塁、三塁のバックアップとしての菊池の起用を示唆している。このコメントを聞く限り、菊池の二塁でのスタメン出場は微妙な状況だ。

 しかし、菊池は前向き。本職の二塁以外での出場にも意欲を見せている。元々、高校時代は三塁、大学時代は遊撃としてプレーしていたので、三塁、遊撃のポジションを守ることに問題はない。

 また、プロに入ってからも肩が衰えないよう、普段から三塁でノックも受けているという。それだけに、内野のバックアップに留まらない活躍の機会が訪れてほしいと願う。

 打撃に関しても、昨シーズンは両リーグを通じての最多安打(181安打)を放ったように、非凡なものがある。小技もこなせる菊池が打線に入ることで、作戦の幅が広がるのは明らかだ。

 どういう起用になるにせよ、菊池の驚異的な守備力はチームにとって必要不可欠。2014年の日米野球で魅せた巧みなグラブトスが、メジャーリーガーを驚かせたのは記憶に新しい。今回もその守備力で伝説を作ってもらいたい。

 広島が誇る侍ジャパン、鈴木と菊池が世界を相手に神った活躍を見せ、世界一奪還に貢献する。そんな光景を心待ちにしたい。


文=井上智博(いのうえ・ともひろ)

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