栃木ゴールデンブレーブスの指揮を執る監督は辻武史。
星稜高校から1997年のドラフト5位で当時のダイエーに入団。守備範囲が広く、俊足強肩の外野手として活躍が期待されたが、柴原洋や高校の先輩・村松有人らがいる厚い選手層を前に、2軍暮らしが続いた。
2002年に1軍初出場を果たすも、その後も2軍との間を行き来する「エレベーター生活」が続き、結局、最多出場は2008年の87試合。2010年、13年間のプロ生活に幕を下ろした。
引退後は、2011年に四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスのコーチを1年間務めた。今季が実に6シーズンぶりの球界復帰となる。
辻監督をサポートするヘッドコーチを務めるのは宮地克彦。
現役時代は西武を戦力外になった後、2004年にダイエーに入団。ソフトバンク元年の2005年には34歳にして初の規定打席に到達。打率.311で初のベストナインに選出され、「リストラの星」と話題になった。
しかし、2006年はケガによる成績不振で2度目の戦力外通告。2007年にはコーチ兼任選手として富山サンダーバースでプレーし、引退後の2008年から2016年にかけては、ソフトバンクと西武のコーチを務めていた。
さらに投手コーチにはアイランドリーグplusに準加盟する福岡レッドワーブラーズで活躍後、ソフトバンクと楽天で6年間プレーした金無英(=写真)が就任。捕手兼バッテリーコーチにも、2013年から2年間ソフトバンクに在籍した八木健史が就き、辻監督、宮地ヘッドコーチをあわせて4名のホークスOBが新チームを率いることとなった。
4人ともNPBと独立リーグの両方を経験しているだけに、NPBを目指す若手選手にとって学ぶことが多く、心強い存在となるだろう。
さらに選手としても2名の元ソフトバンク組が栃木ゴールデンブレーブスに入団した。
1人は2014年育成ドラフト6位の金子将太。3軍での出場がほとんどで、支配下登録されることなく昨年オフに戦力外。NPBへの復活を目指し、栃木の地で再起を図る。
もう1人は、金子と同じ年に育成8位でソフトバンクに入団した中村恵吾。BCリーグ・富山サンダーバースからプロ入りを果たしたが、わずか1年で戦力外に。昨季は新興の社会人野球チーム・シンセリティ硬式野球部でプレーし、今季からBCリーグで再びプレーすることとなった。
また、ソフトバンクの元選手以外に目を向けるとヤクルトと巨人に在籍した金伏ウーゴや元西武の中崎雄太(兼任コーチ)がいる。なお、「ナックル姫」こと吉田えりも所属。
今季のBCリーグは4月8日に開幕。栃木ゴールデンブレーブスは武蔵ヒートベアーズと対戦する。辻監督率いるチームの初陣を見守り、シーズンを盛り上げる奮闘に期待したい。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
北海道生まれ北海道育ちも、ホークスファン歴約40年。北海道日本ハムファイターズの本拠地がある札幌市在住で広告代理店を営む47歳。