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配置転換は成功か? 中継ぎで輝きはじめたオリックス・吉田一将


 今季は中継ぎ投手として起用されているオリックスの吉田一将。勝ちパターンでの継投が多く、結果を残している。吉田には中継ぎが合っているのだろうか。

即戦力として期待された初年度


 2014年、吉田はJR東日本からドラフト1位でオリックスへ入団。ルーキーイヤーから先発ローテーションとして起用される。2度目の先発で5回2/3を1失点に抑え、プロ初勝利を記録した。

 圧巻だったのは、同年7月23日の京セラドームでの日本ハム戦。7回1死までパーフェクトピッチ。最終的に8回を1安打無失点11奪三振の快投で3勝目。その後も2連勝し、安心して先発ローテーションを任せられる投手になったと思われた。

 しかし、同年8月17日の京セラドームでのソフトバンク戦。8回2安打1失点に抑えるも、味方の援護がもらえず、0対1で敗戦。それ以降勝利に見放され、結局、5勝6敗でシーズンを終えた。


故障でのつまずき


 2年目の吉田にかけられた期待は、2ケタ桁勝利だった。しかし、開幕前に脇腹痛でリタイヤ。いきなり故障でつまずいてしまう。5月に復帰するも2回途中3失点で降板。登録抹消後、8月に先発登板するも5連敗。9月からはリリーフへと配置転換となった。

 吉田と同期入団のドラフト2位、東明大貴は10勝8敗の2ケタ勝利を達成。一方、吉田は1勝5敗1ホールド、防御率は5.27。明暗が分かれる形となった。

 オフシーズンには、プエルトリコのウインターリーグに山崎福也とともに参加。武者修行に出向いたが、そこでも脇腹痛を発症してしまい、不運な2年目の締めくくりとなってしまった。

配置転換で力を発揮


 今季、吉田は勝ちパターン継投の中継ぎで起用されている。7月6日現在、29試合4勝0敗1セーブ8ホールド、防御率2.03の成績を残している。中継ぎとなって持ち味をうまく発揮している。勢いのある投球がよみがえったようだ。

 配置転換といえば、チームメイトにいい例がある。クローザーをつとめる平野佳寿だ。平野も、入団当初は先発として起用されていた。しかし、勝ち数よりも負け数の方が多かった。

 ところが、2010年に中継ぎに配置転換されると、2011年は72試合に登板。43ホールド、49ホールドポイントのリーグ新記録で最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得する。

 2012年の終盤からクローザーに配置転換されると、2014年には40セーブのリーグ新記録。最多セーブのタイトルを獲得した。2016年4月24日には、通算100セーブを達成している。

 平野の配置転換は、最高の成功例。先発から中継ぎに配置転換された吉田も同じように結果を残せるか。今後のピッチングに注目したい。


文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
大阪在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。

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