2004年の球界再編問題に端を発し、2005年からスタートしたセ・パ交流戦(以下、交流戦)。
始まりから波乱に満ちていたが、13年の歴史の中には交流戦ならではの驚きの出来事が起こってきた。それはまさに事件と呼べるものだ。
週刊野球太郎では、「交流戦事件簿」と題して2回に渡ってお届け。今回はチームやリーグに焦点を当てる。
過去13年のうち12年で勝ち越すなど、交流戦の覇権はパ・リーグが握ってきた。とくにパ・リーグ優勢が顕著だったのが2010年で、優勝したオリックスを筆頭に1位から6位までをパ・リーグの球団が占めた。
また、5位までをパ・リーグが占めた2015年にはセ・リーグの全球団が5割以下の勝率、つまり借金を背負う前代未聞の事態にまで発展しそうになったが、セ・リーグはかろうじて不名誉な記録を回避した。
「みんなで負ける」ことで、ペナントの順位に大きな影響はないともいえるが、やはりセ・リーグに意地を見せてほしい。今年はどうなるか!?
優勢なパ・リーグ勢のなかでも無双状態といえるのがソフトバンク。13年のうち、実に優勝は7回(2015年以降は最高勝率)。ソフトバンク以外に複数回優勝しているのはロッテと巨人の2回なので、その交流戦巧者ぶりは圧倒的だ。
歴代最高勝率ももちろんソフトバンク。2011年に.818(18勝4敗2分)という驚異の勝率を叩き出した。
ちなみに、2011年シーズンを通しての勝率は.657(88勝46敗10分)。2位に17.5ゲーム差をつけてリーグ制覇している。
プロ野球ファンが「最終決戦で勝ったチームが優勝」と聞いて思い浮かべるのは、1996年の巨人と中日における「10.8決戦」だろう。
交流戦でも「10.8決戦」同様に、最後の最後まで優勝争いがもつれたことがある。2014年の交流戦だ。この年は、巨人とソフトバンクがデッドヒート。最終戦で巨人が10対5で勝ち、セ・リーグとして初めて交流戦を制覇した。
ちなみに、この年はセ・リーグが70勝71敗1分とパ・リーグに肉薄。セ・リーグファンにとっては、もうひと踏ん張りを見せてほしかったことだろう。
今年で14年目となる交流戦。パ・リーグは交流戦通算1000勝にあと19勝と迫っている。昨年までの流れから考えても、パ・リーグ優勢は動かないか。
1000勝達成は時間の問題とはいえ、セ・リーグ6球団には意地を見せてほしいものだ。
文=森田真悟(もりた・しんご)