塁に戻って
走りだせ
バッターの打ち上げたフライは
思いのほか遠くまで飛んで行きました
打球がゴロではなくフライである場合
走者は野手がキャッチしたあと
今いる塁を踏まなくてはなりません
野手がキャッチした後であれば
そこから進むことができるのです
そのフライの行方を目で追いながら
ランナーは片足をベースに置きます
「この距離なら……いける!」
外野手が捕球したのを確認すると
同時にスタート!
一目散に走って、勢いよく滑り込むと
審判の手が横に開くのが見えました
相手の送球よりも先に
次の塁に到達できたようです
少しでもスタートが早ければ
アウトを宣告されてしまいます
急ぐ気持ちを抑えつつ
ベストなタイミングでスタートを
この技術が“タッチアップ”です
文・イラスト=清水はるか(しみず・はるか)/元・高校球児の女性イラストレーター。都立高の硬式野球部出身。日本のプロ野球(主にパシフィックリーグ)が好きで、シーズン中は関東の球場に頻繁に出没。野球の絵本にチャレンジ中。
ブログ(http://mizuhalu.jugem.jp/)もやってます。