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V奪還目前。巨人はこのまま逃げ切れるのか。マジック消滅も2014年以来5年ぶりの優勝は盤石か?

文=勝田聡

V奪還目前。巨人はこのまま逃げ切れるのか。マジック消滅も2014年以来5年ぶりの優勝は盤石か?
 ペナントレースの大詰めを迎えつつあるプロ野球。セ・リーグでは巨人にマジックが点灯し、優勝への秒読み態勢に入ったかに見えたが、DeNAが食い下がりマジック消滅。V奪還を目指す巨人は逃げ切ることができるのか。有利と予想されるなか死角はないのか? “巨人逃げ切り”のポイントを探ってみた。

横浜スタジアムでの5試合がネックか?


 巨人は8月24日に今シーズン初めて優勝マジック「20」が点灯。そこからマジック「16」まで減らしたものの、DeNAが追い上げ9月1日に優勝マジックが消滅した。

 9月1日現在で、2位・DeNAとは4ゲーム差、3位・広島とは7.5ゲーム差。マジックが消滅したとはいえ、残り21試合でこのゲーム差はまだ有利だ。

 そのなかで不安材料を探すとなれば、残り21試合のうちDeNAとの直接対決が6試合残っていることだろう。また、その6試合中5試合が敵地・横浜スタジアムというビジターゲームという部分も不安材料に拍車がかかる。

 今シーズンの巨人は横浜スタジアムで2勝5敗と3つの負け越しを喫しており、決して得意とは言えない。そして、現在は3連敗中でもある。相性の悪い横浜スタジアムでのDeNA戦が優勝へ向けたポイントになりそうだ。

菅野、山口の先発2本柱にデラロサらの中継ぎ陣は充実


 先発投手陣は山口俊と菅野智之の2枚看板が健在。12勝でハーラーダービー2位の山口は言わずもがな、例年より調子の悪いと見られる菅野も11勝5敗と6つも貯金を作り、防御率3.52と巻き返している。

 3番手以降はメルセデス(8勝)、桜井俊貴(8勝)、高橋優貴(5勝)らが続く。菅野や山口と比べると力が劣るものの、それでも先発陣は充実していると言っていい。

 開幕前は不安視されていた中継ぎ投手も、デラロサが加入してから落ち着いてきた。試合終盤を中川皓太、田口麗斗、大竹寛、マシソンが状況に応じて登板。そして最後はデラロサが締める形が定着している。

 一般的な7回、8回、9回を固定する「勝ちパターン」というわけではなく、柔軟に対応しているのが現状だ。現時点でリーグ優勝が危うくなるような投手陣の死角は見当たらない。

二遊間に不安があるも全体的には余裕あり


 野手陣に目を移すと巨人は二遊間に悩みがある。といっても深刻な問題ではない。

 巨人にとって長年の課題だった二塁手は、今シーズンは吉川尚輝で開幕した。その期待に応え吉川尚は開幕から打率.390と高打率をキープ。しかし、わずか11試合で戦線離脱してしまう。その後は山本泰寛や若林晃弘らで埋めたものの、レギュラーとして定着するには至らなかった。

 遊撃手は坂本勇人が本塁打王、打点王争いに顔を出すなど、例年以上に長打力を増し「恐怖の2番打者」としてチームを引っ張っている。しかし、原辰徳監督も「コンディションは万全ではない」とコメントしていたとおり、8月の下旬から試合途中で交代するケースが増えてきた。

 現時点で大きな故障をしているわけではないが、仮に出場できないことになれば攻守ともに大幅な戦力ダウンとなることは必至。緊迫した終盤戦でコンディションをどのように調整していくかが、ポイントとなりそうだ。

 とはいえ、ほかの選手を見ると人差し指の骨折で離脱していた炭谷銀仁朗が2軍で復帰。また、高卒1年目ながら支配下登録を勝ち取った山下航汰を1軍で起用するなど、ある程度の余裕はある。

 このように野手陣を見渡しても大きなウイークポイントとなりそうな部分は見当たらない。

 2014年以来、5年ぶりの優勝へ歩みを進める巨人。現時点で投手、野手ともに大きな死角は見当たらない。このまま優勝へ突き進む可能性は非常に高そうだ。

 とは言うものの、プロ野球の世界に「絶対」はない。DeNA、広島が奇跡の大逆転劇を見せる可能性はある。

 果たして2019年のセ・リーグペナントレースはどんな結末を迎えるのだろうか。

(※成績は9月1日現在)

文=勝田聡(かつた・さとし)

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