順調なら4月中には達成されそうな大記録が、内川聖一(ソフトバンク)の2000安打だ。昨季までで1975安打を記録しており、残り25安打。仮に1試合で1本ずつ安打を重ねれば、4月30日のオリックス戦(京セラドーム)が達成日となる。
とはいえ、内川はソフトバンクに移籍した2011年以降、安打数が出場試合数より少なかったことは一度もない。通常通りで試合に出ていさえすれば、30日より早く達成する可能性もある。いずれにせよ、大台到達は時間の問題だろう。
そしてもう1人、2000安打に迫っているのが、今季が25年目となる福浦和也(ロッテ)だ。昨季までで1962安打をマークしており、あと38安打。ただ、内川と違って、福浦の場合はそう簡単ではない。
というのも、ここ5年で、福浦が38安打以上を放ったのは2015年の1回だけだからだ(47安打)。近年は代打での出場が多くなっており、打席数も少ないのが実情。ただ、井口資仁監督は一塁手として起用も考えているようで、そうなるとスタメン出場が増え、打席数も稼げる。生え抜きの大ベテランの記録達成を、ファンも待ち望んでいる。
野手陣の記録では、今宮健太(ソフトバンク)の犠打にも注目したい。昨季までで歴代13位の270犠打を記録している。なお、今宮より通算犠打数が多い現役選手は以下の3人だけだ。
1位:田中浩康(DeNA)/301犠打(歴代5位)
2位:細川亨(楽天)/294犠打(歴代7位)
3位:荒木雅博(中日)/283犠打(歴代10位)
昨季の今宮の犠打数はリーグトップの52。今年も同レベルの成績を挙げられれば、現役1位に躍り出るだけでなく、伊東勤(元西武)の305犠打を抜いて、歴代4位にまで一気に浮上しそうだ。
ちなみに、歴代犠打数のトップ3はこちら。
歴代1位:川相昌弘(元巨人ほか)/533犠打
歴代2位:平野謙(元中日ほか)/451犠打
歴代3位:宮本慎也(元ヤクルト)/408犠打
さすがの顔ぶれだが、今宮のキャリアハイは2013年と2014年に記録した62犠打。今季は無理でも、順調なら、2020年あたりにはトップ3に名を連ねる計算となる。史上最年少で200犠打を達成した若きバント職人のテクニックを今季も堪能したい。
投手陣で大台に乗りそうな記録では、涌井秀章(ロッテ)の与死球も気になる。昨季までに93与死球を記録し、大台まであと7となっている。2014年にロッテに移籍してからの4年は、10、8、4、7と、年平均の与四球は7.25。今季中に到達する可能性は十分だ。
与四球は決して目立つ記録ではないかもしれないが、歴代トップが東尾修(165与四球)であることからもわかるように、打者の胸元を臆せず攻めた結果という側面もある。
ちなみに、涌井は暴投数も71で現役最多。これは歴代12位の記録。昨季と同数の6暴投を記録すれば、今季で歴代7位までジャンプアップする。
こういった数字も涌井らしさのひとつ。ロッテ残留が決まった今季、ワイルドかつ強気の投球で、チームを最下位からの上位浮上へ導きたい。
文=藤山剣(ふじやま・けん)