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派手さはなくとも実力は一流! 円熟味を増すソフトバンク・中村晃の広角打法


 開幕当初こそややモタついてはいたが、気がつけば独走態勢に持ち込みつつあるソフトバンク。

 投打がしっかり噛み合ってこそのこの成績だが、強力打線において、内川聖一や柳田悠岐、松田宣浩といったチームの顔役たちに隠れて非常にいい仕事をしているのが中村晃だ。

プロ9年目で円熟味を増す


 帝京高校出身で、2007年秋の高校生ドラフト3巡目でソフトバンクに入団した中村は、今季で9年目となる。一軍に定着し109試合に出場した2013年から昨年まで3年連続で打率3割以上を記録。今季も、5月5日終了時点で打率.295と4年連続3割を視野に入れている。

 2014年には176本のヒットを積み重ね、最多安打のタイトルも獲得。その年の阪神との日本シリーズ第4戦では、2対2の同点の延長10回裏2死一、二塁の場面で、呉昇桓からライトスタンドへのサヨナラホームランという印象に残る活躍を見せた。


球界屈指の広角打法


 中村の最大の特長は、広角に打ち分けられること。左打ちながら、レフト方向へも鋭い打球を飛ばす。また、年間のホームラン数は、2013年の5本が最多だが、その分、スイングがコンパクトなので三振は少ない。

 さらに、左投手を苦にしないのも強みだ。今季は対左投手の打率が4割を超えており、日本ハムの吉川光夫、ロッテの藤岡貴裕、楽天の塩見貴洋らからヒットを放っている。

派手さはなくとも、実力は一流


 実績はクリーンアップに座るだけのものを残しているが、足があるので1、2番で攻撃の起点にもなれるし、今季のように6、7番に置けばポイントゲッターとして打線に厚みが出る。

 前述したように、ソフトバンク打線の中では、どうしても脇役っぽくなってしまう中村だが、それだけソフトバンク打線のスケールがデカいとも言える。さらなる首位固めへ、派手さはなくとも欠かせない存在なのが中村だ。


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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