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今年も握るぜ、スシ食いねえ! 日本ハム・レアード、飛躍の2年目


 日本ハムの外国人野手といえば、“サモアの怪人”トニー・ソレイタ、“踊るホームラン王”マット・ウインタース、“細かすぎるモノマネ打法”マイク・イースラー、“奇跡のCS逆転サヨナラ満塁本塁打”ターメル・スレッジなど、今なお印象深い選手が多い。

 そんなレジェンドたちの仲間入りを果たそうかと、人気上昇中なのが、「寿司ポーズ」でおなじみ、今季2年目のブランドン・レアードだ。

我慢、我慢、そして大爆発!


 レアードの昨季成績は、143試合の全試合出場で打率.231、本塁打34、打点97。特に本塁打は、チームの4番・中田翔のキャリアハイを更新した30本を上回り、チームトップ(リーグ3位タイ)だ。また、142試合で三塁手として先発出場し、同ポジションを他者に明け渡さなかった点も見逃せない。

 もっともシーズン前半から中盤までは不振を極めた。開幕直後は順調な滑り出しだったものの、以後はズルズルと成績が下降。5月28日のヤクルト戦から7月25日の西武戦までは、打率が2割にも満たなかった。一時は、「1982年の山倉和博(当時巨人)以来の、規定打席到達1割台か?」などと囁かれたものだ。

 それが7月上旬、本塁打後の「寿司ポーズ」をするようになってから、成績が上昇。後半戦は打率.278、本塁打22、打点64、とまるで別人のような活躍ぶり。我慢に我慢を重ねて起用し続けた栗山英樹監督も、さぞかしホっとしたことだろう。


「寿司ポーズ」の誕生秘話、本人も知らなかった周囲の思惑!?


 打棒を爆発させたこの「寿司ポーズ」。レアードは、札幌市内の寿司店「空海」の店主から頼まれて始めた、と言っているが、実はこの話には裏エピソードがあった。

 当時、不振を極めていたレアードを何とかしたいと、この店を紹介した白井一幸内野守備走塁コーチと店主が話し合い、リラックス効果を狙って店主がレアードに勧めたという。「本当はバッターボックスに入ったら、バットを脇に挟んでピッチャーに向けてやれと言った」と、店主は笑って振り返る。スランプ解消のためのアドバイスが、いつしか本塁打後のパフォーマンスになっていた、というのが真相のようだ。

 球団はレアード人気にあやかり、寿司にちなんだTシャツなどのグッズを発売。また、昨季後半戦のスタンド内には、巨大な寿司のクッションを持つファンも増えた。

 オープン戦も始まり、飛躍の2年目もいよいよ本番。今年もレアードが本塁打を打って、好物の炙りトロに舌鼓をうつのを期待しよう!

文=サトウタカシ (さとう・たかし)

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