昨オフもかつての大物が戦力外になったプロ野球界。しかし、近年はNPB復帰を目指す道も増えてきた。昨年はBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスで吉報を待った村田修一(元巨人ほか)が注目を集めたが、今年注目したい「復帰志望組」といえば、西岡剛(前阪神)と吉村裕基(前ソフトバンク)だろう。2人の現状を見てみたい。
阪神を自由契約となった西岡剛は古巣のロッテにラブコールを発信していたものの、トライアウトで獲得の意思を示す球団が現れず、栃木ゴールデンブレーブスに入団した。
阪神での6シーズンは最初の1年こそ、122試合で打率.290を記録したものの、その後はケガ続きで活躍できず。しかし、34歳とまだまだ老け込む年齢ではない。
BCリーグ開幕後では格の違いを見せつけ、8試合で打率.423を記録(4月22日時点)。4盗塁をマークし、まだまだ技術は健在とアピールしている。
筆者が思う獲得を目指すべき球団は、やはりロッテだろう。世代交代を進めたいところだが、開幕後も野手の層は手薄。メジャー経由で阪神に移籍している過去の経緯から、三顧の礼の必要もなし。代打の切り札も現状不在で、もし西岡が復調したならば、大きな戦力になるはずだ。
所属が決まらず宙ぶらりんだったのは、かつて横浜(現DeNA)時代の2008年に34本塁打を記録したこともあるスラッガー・吉村裕基だ。2月から3月にかけてはプロ契約を目指す遠征チーム「アジアンブリーズ」に所属し、アリゾナで実戦を積んでいたが、4月17日にオランダリーグ挑戦を表明。3カ月無給の契約でプレーの舞台を手に入れた。
ヨーロッパから復帰した選手といえば、イタリアから日本国内のクラブチームを経て、ロッテでNPB復帰を果たしたG.G.佐藤が思い浮かぶ。
昨季の吉村は1軍出場なし。2軍でも63試合で打率.204に沈んだが、西岡と同じ34歳で復活の目はある。確かにここ数年は打率こそ目立ったものはなかったが、代打でもしっかり四球を選べるタイプであり、先述のロッテを含め、右の代打を欠く球団にとっては魅力的ではないだろうか。
しかし、現実的にヨーロッパから即復帰の道は、特に野手は考えづらい。G.G.佐藤のように1年間、半分浪人の生活を送り、あとは調子と人脈で勝負をかけたい。
最後にもう1人、NPB復帰を目指す外国人投手を取り上げたい。3月30日にBCリーグ・石川ミリオンスターズ入りが発表された元阪神のセットアッパー・マテオだ。昨季は右肩を痛め、17登板に終わったが、実績は十分。昨季のヒース(西武)のように救世主の大本命になる存在だ。
しかし、BCリーグ開幕戦では姿はなく、ドミニカ共和国で調整中とのこと。再来日の準備の時間もあるだろうが、心配の声も挙がっている。ゴールデンウイーク頃には再び日本で姿を見られるといいのだが……。
文=落合初春(おちあい・もとはる)