今年は活躍してほしい!「注目リベンジ選手10人〜2014年に逆襲を期す男たち」(『野球太郎No.008』P6、7)
3月10日に『野球太郎No.008 2014プロ野球&ドラフト候補選手名鑑』が発売された。その巻頭ページでは様々な企画コーナーが行われ、注目すべきプロ野球選手や、今年開催される世代別大会の代表選手を『野球太郎』編集部とライターの独断と偏見が入りつつも、平等な意識を持って選出した。
実際の雑誌では、選ばれた選手だけが掲載されているが、どのような過程で決まっていったのか、なぜこの選手が選出されているのか、といったところを解決するべく、その選考過程を記事にした。
3回目の今回は6、7ページの『注目リベンジ選手10人〜2014年に逆襲を期す男たち』の選考理由や、惜しく(?)も漏れた選手などを紹介する。今シーズンは、失望を希望に変えられるか、注目しよう。
■「こんなもんじゃない」選手をピックアップ
菊地:昨年好評だった「君はこんなもんじゃない名鑑」(通称「キミコン」)の続編です。選び方は3タイプあると思います。単純に「君はこんなもんじゃない」という選手と、ケガや病気に苦しんだ選手と、去年まったく成績が振るわなかった選手。この中からバランスよく選べたらと思います。
本木:僕は中田翔(日本ハム)を入れてほしいですね。去年の最後にケガして、本塁打王を逃したんで。
菊地:日本ハムは候補が多いんですよ。稲葉篤紀もそうだし、斎藤佑樹もいます。やはり、昨年下位だったチームはそういう選手が多くなります。
キビタ:ベテランだから稲葉にしたいという気持ちはあるかな。ベテランと言えば、福留孝介(阪神)はどうなんですか?
本木:最近のコメントを聞いていると、あっさりしてるんですよ。そこが引っかかります。
キビタ:本人があっさりしているのに、周りだけが「いや、福留はそんなもんじゃない」と盛り上げているようにも見えるんで。
持木:メジャーから帰ってきて3000万円か4000万円で頑張っていたら「福留も頑張ってるね」って言われるだろうけど。(※この座談会は開幕前に行われました。)
キビタ:阪神は伊藤隼太でいいんじゃないですか?
持木:伊藤隼太よりも緒方凌介が出てくる可能性はありますよ。
菊地:キャンプでも緒方は目立ってました。
キビタ:榎田大樹は使い方で翻弄されているだけで、去年前半はちゃんとローテで投げていたから。
本木:鉄平(オリックス)には逆襲してもらいたんですよ。ずっと楽天のレギュラーだったけど、日本一になった時にレギュラーから外れてしまった。その悔しさを新天地でぶつけてほしい。
キビタ:T-岡田(オリックス)は「こんなもんじゃねぇ?」って感じになりつつあるのが怖い。キャリアの中で一度は本塁打王を取ったけども……。
久保:吉村裕基(ソフトバンク)のようなパターンですか?
キビタ:吉村の方がまだ必死さが伝わってくるけど、T-岡田は必死さが見えてこないというか。損なタイプだとは思うけど。
■大石と大田には活躍するまで言い続けよう
キビタ:中村剛也(西武)は今年間違いなく復活するでしょうから、入れる必要はないでしょう。
菊地:となると、西武は大石達也……。
キビタ:大石でしょうね。大石に関しては、毎年でも言っていいくらい。
菊地:僕も大石と大田泰示(巨人)は入れたいです。この2人は永遠に言い続けないといけないかな。それと涌井秀章(ロッテ)を入れておきたいですね。
キビタ:涌井は「球場で見たい10人」よりもこっちで選びたい。涌井を入れるから、成瀬善久はいいかな。去年の成瀬は長年活躍してきたエアポケットみたいなもので、今年新たな武器を覚えて復活したら「そんな年もあったね」で済んじゃう話かと。
本木:浅尾拓也(中日)、堂林翔太(広島)、畠山和洋(ヤクルト)あたりは、去年ケガで数字を落としています。
菊地:堂林はケガする前もそんなに数字は残してなかったんで。
久保:カープだったら福井優也か岩本貴裕か。
キビタ:斎藤悠葵はこのまま出てこなくなってしまうのかな。
菊地:とある番組で、前田健太が「2014年に期待の選手」に斎藤悠葵を選んでたんですけど、よく見たら斎藤の方が前田よりも先輩なんですよ。後輩から期待されている先輩という、よくわからない構図でした。
キビタ:岩本は試合に出てはいるけど、こんなもんじゃない感がつきまといますね。
久保:岩本も西田真二(元広島)ぐらい勝負強ければなぁ。でも広島は福井になりますか。
キビタ:広島ファンは福井に期待しているからね。
■畠山への愛は不変
久保:病気、ケガの選手も入れておきたいですね。
本木:大隣憲司(ソフトバンク)は去年病気で苦しんだから、復活してほしい。
キビタ:ケガがちな選手といえば、ロッテの内竜也は去年もそこそこ投げてはいますよね。
持木:毎年シーズンの終盤に「おぉ内、いいピッチングするな。来年期待できるな」って言われて、年が明けたら「あれっ、内はケガ?」ってなる(笑)
菊地:今年も手術明けです。
キビタ:ロッテだったら藤岡貴裕もあんなもんじゃない。あの程度で収まったら、困っちゃうな。シーズン後半は無理やり使われてよくなったから、今年は頑張って2桁勝ってほしい。
菊地:中日の小笠原道大は入れておきたいです。
キビタ:DeNAは筒香嘉智でしょうね。
菊地:昨年、セ・リーグの最下位だったヤクルトから1人選びたいんですけど。
キビタ:どうせ畠山って決めているんでしょ?
久保:田中浩康の評価はどうなのかな?
キビタ:あまり高くないみたいですね。
本木:川端慎吾は「いい」って言われながら、毎年ケガで休んでいるじゃないですか。今年こそ144試合出て、どれくらいの数字を残すか見てみたい。
菊地:首位打者を争ってもおかしくない選手だと思います。でもそれなりに成績を残しているんで、リベンジという感じではないような…。
キビタ:じゃあ菊地くんの好きな畠山にしますか。バレンティンがファーストの練習をしていても、結局はライトに戻りそうな気がします。外野での球の追い方を見ていると、とてもじゃないけどファーストは厳しいような…。
菊地:バレンティンは肩は強いんですけどね。いくらノックしても、捕球感覚がつかめない人っていますから。
持木:ファーストができなくてライトに、ってのも、おかしな話だよね。
キビタ:その点、畠山なら無難にファーストをこなせるので。
菊地:ではヤクルトは畠山で(笑)。「注目リベンジ選手10人」の議論はこれくらいにしておきます。
『注目リベンジ選手10人〜2014年に逆襲を期す男たち』
・プロスペクト(若手有望選手)
大石達也(西武)選手名鑑号52ページ
大田泰示(巨人)選手名鑑号191ページ
筒香嘉智(DeNA)選手名鑑号287ページ
・レギュラー格
福井優也(広島)選手名鑑号225ページ
大隣憲司(ソフトバンク)選手名鑑号102ページ
・主力
涌井秀章(ロッテ)選手名鑑号77ページ
T-岡田(オリックス)選手名鑑号144ページ
畠山和洋(ヤクルト)選手名鑑号315ページ
・レジェンド
稲葉篤紀(日本ハム)選手名鑑号165ページ
小笠原道大(中日)選手名鑑号264ページ
<選考メンバー>
『野球太郎』編集部:持木秀仁、菊地高弘
ライター:キビタキビオ、本木昭宏
選考メンバー・構成=久保弘毅(くぼ・ひろき)/1971年生まれ、奈良県出身。テレビ神奈川アナウンサーとして、神奈川県内の野球を取材、中継していた。現在は社会人野球、神奈川の大学・高校野球やハンドボールを中心にライターとして活躍。
ブログ「手の球日記」
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