7月17日(金)に東京ドーム、18日(土)にマツダスタジアムで行われる今年のオールスターゲーム。現球界を駆けるスターたちが出場選手として出揃い、今年はどんなドラマが起きるのか注目が集まるところだ。
今年の目玉は、やはり黒田博樹(広島)と大谷翔平(日本ハム)。両者ともにファン投票で先発部門の堂々の1位に輝き、オールスターゲームに華を添える。
セ・リーグの監督を務める原辰徳監督(巨人)も黒田には大いに期待している様子。しかし、自身の信念である「ファン投票1位の先発投手が第1戦の先発」の通りに東京ドームで先発させるのか、はたまた第2戦の地元・広島で先発させるのか、頭を悩ませていた。しかし、第1戦では菅野智之(巨人)が先発、黒田は第2戦での登板となりそうだ。
パ・リーグが誇る大谷は、昨年のオールスターゲーム第2戦で参考記録ながら日本人最速の162キロをスピードガンで叩き出した。今年も球場が「ヒエ〜ッ」とどよめくスピードボールが期待される。
そんなプロ野球ファン待望の夢の球宴を前に、これまでのオールスターゲームの大記録・事件をおさらいしてみよう。
オールスターゲームのMVPに史上最多の7回も輝くという、とてつもない記録を持つ“お祭り男”、それが清原和博(元西武ほか)だ。
清原といえば、渾身のストレートをフルスイングで迎え撃つ「男と男の勝負」が大好物。公式戦でも「男ならストレートで来んかい!」と凄み散らかし、良くも悪くも話題を呼んだが、オールスターゲームではストレート勝負が「デフォルト」。
待っていました! とばかりの、しばき上げるフルスイング。通算13本塁打(歴代2位)、34打点(歴代1位)、OPS1.203と打ちまくった。
その気合いがゆえに2005年の松坂大輔(当時西武)との対決では珍事も発生。1回表、1死一、二塁で全セの4番としてバッターボックスに立った清原は、松坂の豪速球に対して天に振り上げるかのようなスイングを連発。
ついには左翼ポール際に高々とボールを飛ばしたが、高く上がり過ぎた打球は西武ドームの天井を直撃。ボールはフェアゾーンに落ち、世にも珍しい天井直撃タイムリーが飛び出した。
結果論ではあるが天井さえなければ、山本浩二(元広島)の14本塁打(歴代1位)に並んでいた可能性は高い。無冠の帝王・清原らしい一幕で大いに沸かせた。なお、豪快なスイングの副産物・通算三振数38も日本記録である。
清原が越えられなかった本塁打数1位の山本浩二の躍動もすごい。もっとも有名なのは1975年のオールスターゲーム第1戦。3番に入った山本浩二は、6番の衣笠祥雄(元広島)とともに2打席連続で“赤ヘルアベック本塁打”を放ち、この年に初優勝を遂げるカープの「名場面」として長らく語り継がれる偉業を達成している。