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《中日、DeNA編》ともにドラ1投手がローテーションに定着。DeNAは有望選手満載で来季に期待!


 昨季のヤクルトよりも1カ月ほど早く広島が優勝を決めたセ・リーグ、ソフトバンクと日本ハムのデッドヒートが続くパ・リーグ。昨季の優勝争いを見るとセ・リーグは終盤までもつれ、パ・リーグはソフトバンクが独走した。ペナントレースの様相が、今季は正反対で繰り広げられているのが興味深い。

 ドラフト戦線も騒がしくなってきたこの時期、週刊野球太郎では週刊連載として今季のルーキーの働き具合をチェック。2015年シーズンの上位チームから順に、12球団のルーキーの成績を振り返ってみたい。

 3回目となる今回は、2015年のセ・リーグ5位・中日、6位・DeNAのルーキーを取り上げる。

(※成績は9月11日現在)

中日ドラゴンズ


【ドラフト1位】小笠原慎之介(投手/東海大相模高/左投左打)
13試合:1勝5敗/防御率4.01/投球回60.2/奪三振46/与四球32/与死球1

 高卒ルーキーながら5月31日に先発デビューを果たした小笠原。一時は中継ぎに回るも、再び先発に戻り、9月4日の巨人戦では待望の初勝利。「下で育てた方がいいのでは?」との声もあったが、現状では1軍でローテーションを守っているので文句なし。来季にかかる期待は大きい。

【ドラフト2位】
佐藤優(投手/東北福祉大/右投左打)
9試合:1勝0敗/防御率3.74/投球回21.2/奪三振13/与四球18/与死球1

 ゴールデンウイーク明けに初先発初勝利を挙げた佐藤。波にのるかと思われたが、その後はノックアウトが続き中継ぎへ配置転換。一度登録抹消され夏場に戻ってきたが起用法は固定されず。中継ぎで戦力になっているとはいえ、来季は明確な役割を担いたい。

【ドラフト3位】
木下拓哉(捕手/トヨタ自動車/右投右打)
7試合:打率.214(14打数3安打)1本塁打/2打点/0盗塁/4三振/1四球

【ドラフト4位】
福敬登(投手/JR九州/左投左打)
27試合:1勝2敗/防御率4.78/投球回43.1/奪三振31/与四球18/与死球3

【ドラフト5位】
阿部寿樹(内野手/Honda/右投右打)
16試合:打率.222(27打数6安打)0本塁打/0打点/1盗塁/3三振/1四球

【ドラフト6位】
石岡諒太(内野手/JR東日本/左投左打)
《2軍》21試合:打率.339(59打数20安打)0本塁打/1打点/1盗塁/11三振/4四球

 即戦力候補だった木下は杉山翔大、桂依央利の正捕手争いに加わることはできなかった。来季は正捕手争いに加わりたい。

 引退した山本昌の背番号を受け継いだ福は、前半戦から中継ぎとしてフル稼働。夏場以降、目立った活躍はない。来季は背番号の以外が話題になるのうな活躍に期待したい。

 阿部は8月に1軍昇格後、代走、守備固め、代打とユーティリティーに活躍中。スタメン起用も増えてきたが、もう少し“売り”がほしい。

 2軍では3割をキープしている石岡。来季は定位置争いに加わりたいところだ

横浜DeNAベイスターズ


【ドラフト1位】
今永昇太(投手/駒澤大/左投左打)
19試合:6勝8敗/防御率2.77/投球回117/奪三振118/与四球30/与死球2

 ルーキーらしからぬ大人びた発言がよくも悪くも取り上げる今永。夏場に一時期、登録抹消されたものの、DeNAの躍進を支えているのは間違いない。

 今永は左腕とはいえ、150キロを超えるストレートがあるわけでもなく、その平均球速は140キロに満たない。しかし、スライダーとのコンビネーションで打者を抑える。この投手を一本釣りできたDeNAのドラフトは大成功といっていい。

【ドラフト2位】
熊原健人(投手/仙台大/右投左打)
18試合:1勝1敗/防御率4.97/投球回29/奪三振25/与四球15/与死球1

 特徴的なフォームから繰り出される140キロ台半ばのストレートとカーブで打者を幻惑する熊原。中継ぎでスタートし、先発も任されるなど来季への期待が高まるのは好印象。打者として打席でサインを見る時に、コーチではなくベンチを見てチームメートから指摘をされた場面はご愛嬌か。

【ドラフト3位】
柴田竜拓(内野手/國學院大/右投左打)
19試合:打率.205(39打数8安打)0本塁打/2打点/1盗塁/8三振/5四球

 開幕戦で初打席初打点をマーク。今シーズンの新人王候補に名乗りを上げたものの中盤以降は2軍に甘んじ、昇格ならず。来季は二遊間争いに加わってほしい。

【ドラフト4位】
戸柱恭孝(捕手/NTT西日本/右投左打)
114試合:打率.234(337打数79安打)2本塁打/22打点/0盗塁/60三振/17四球

 チーム史上初の“開幕スタメン捕手”に大抜擢され、以降は正捕手としてチーム躍進を支えてきた。打撃、盗塁阻止、捕球と課題は多いが、戸柱の活躍も今永と並び今季のDeNAの躍進を語る上で欠かせない要素。来季は確固たるレギュラーを目指す。

【ドラフト5位】
綾部翔(投手/霞ヶ浦高/右投右打)
《2軍》10試合:1勝2敗/防御率4.26/投球回31.2/奪三振26/与四球10/与死球1

【ドラフト6位】
青柳昴樹(外野手/大阪桐蔭高/右投右打)
《2軍》113試合:打率.189(322打数61安打)4本塁打/27打点/4盗塁/99三振/13四球

【ドラフト7位】
野川拓斗(投手/鷲宮製作所/左投左打)
6試合:0勝0敗/防御率2.57/投球回7/奪三振7/与四球6/与死球1

綾部、青柳の高卒ルーキーたちはそれぞれ2軍で経験を積んだ。来シーズンの昇格を期待したい。

 ドラフト7位の野川はある意味ハマスタを1番盛り上げたともいえる。リリーフカーに乗って野川がマウンドに登るときの登場曲が強烈だからだ。ほんとうの意味で“レスキュー!”できる日を目指したい。


 中日、DeNAともにドラフト1位がシーズン半ばで1軍のローテーションに定着したのは大きい。とはいうものの、両チームともまだまだ優勝争いできるチーム状態ではないのは事実だ。

 2015年ドラフトメンバーが飛躍することで、来季の優勝争いへの道が見えてくる。2年目の飛躍に期待したい。


文=勝田 聡(かつた さとし)

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