JRAの現場の人事異動は、2月末から3月にかけて行われるため、プロ野球のシーズン開幕よりも1 カ月近く先に、早くも先輩たちに混じってレースに騎乗している。
そんな藤田菜七子が、3月17日に鎌ケ谷スタジアムで行われる日本ハム対ソフトバンクのオープン戦で始球式を務めることが明らかとなった。
かつて、岩手競馬所属騎手の鈴木麻優(当時の新人)が、宮城県出身ということもあって、2014年7月9日の楽天対日本ハム(Koboスタ)で、始球式を務めたことがあるが、女性騎手の始球式登板は、それ以来だろう。
実は、日本ハムの2軍の本拠地・鎌ケ谷スタジアムがある鎌ケ谷市と、JRA競馬学校がある白井市は、同じ千葉県内で、隣接しており、両施設は直線距離で6キロほど。そんな地理的な縁に加えて、同じように夢を追いながら切磋琢磨している若者同士ということもあって、在学中の交流も恒例行事のひとつとなっているほど「仲良し」なのだ。
騎手としては、JRAでのデビューに先駆けて参戦した3月3日の川崎競馬で、6鞍に騎乗し、8、4、2、5、13、3着。JRAデビューとなった、3月5日は2着、6日は9、11着と、勝ち星は挙げられなかったものの、直線でパワフルに騎乗馬を追う姿に、騎手としての資質は十分に感じられた藤田菜七子。
果たして、鎌スタでは、どんな一球を投じてくれるのか。ちなみに、前述の鈴木麻優は、ダイナミックなワインドアップモーションを見せるも、左打席に立っていた日本ハム・西川遥輝の背中側を通過するワンバン投球となってしまった。
それだけに、先輩騎手と練習して当日に備えるという藤田菜七子には、ぜひともレースで見せるハツラツさと同様のストライク投球を期待したい。プレイボールは、3月17日の13時予定だ!
文=藤山剣(ふじやま・けん)