今季からフィリーズで指揮を執るゲーブ・キャプラー監督は、2005年に巨人でプレーしている。しかし、外野手として38試合に出場したものの、打率.153、6打点、3本塁打と成績は低迷し、シーズン半ばで帰国。来日したことを後悔していたとも報じられ、その後はメジャーに復帰した。
現役引退後は、FOXテレビの解説者を経て、昨季まで育成担当としてドジャースに在籍していた。昨季、ナショナルリーグ東地区の最下位に沈んだフィリーズをどう建て直すのか、その手腕が注目される。
キャプラー監督のほかに、日本でプレー経験があるのがパドレスのアンディ・グリーン監督と、ダイヤモンドバックスのトーリ・ロブロ監督だ。
グリーン監督は2007年に日本ハムに在籍。ユーティリティープレーヤーとして期待されたものの、18試合で打率.197、3打点の低調な成績で終わった。メジャーの監督としては今季が3年目。パドレスには、今季から牧田和久が加入しており、日本のファンからも熱い視線が注がれそうだ。
ロブロ監督は、2000年にヤクルトで内野手としてプレーし、29試合で打率.197、2打点、1本塁打。昨季は、3年連続で負け越していたダイヤモンドバックスを就任1年目でポストシーズン出場に導き、記者投票で選出されるナショナルリーグ最優秀監督賞を受賞した。
ここで取り上げた3人には、日本では打率1割台に低迷し、早々に帰国したという共通点がある。この程度の活躍度なら、当時のプレーを覚えているという日本のファンはそう多くないかもしれない……。
ただ、選手としての能力と監督として必要な資質は異なる。毎年、多くの助っ人が来日するが、パッとせず1年限りで帰ってしまう選手も多い。来季以降も、そんな残念な結果に終わった助っ人のなかから、メジャーリーグで監督を務める人物が出現するかもしれない。
文=藤山剣(ふじやま・けん)