ロッテ4連敗で迎えた7月13日のソフトバンク戦。0対3というビハインドの8回裏1死一塁。この日、1軍登録されたばかりの福浦和也を代打に起用するも、千賀滉大の111球目のストレートにセンターフライに倒れ得点ならず。9回はサファテに3人でぴしゃりと抑えられ、ロッテは5連敗となってしまった。
ただ、やはり福浦の存在感は絶大だった。中村奨吾に代わって、代打・福浦和也がコールされると、この日いちばんの大歓声が巻き起こる。
単なる生え抜きのベテランというだけでなく、生まれも育ちも千葉が地元の福浦。出身の習志野高校と本拠地のQVCマリンフィールドとは、直線距離で6キロほど。地域密着のロッテを象徴するような選手である。
梅雨時期ということもあって、QVCマリンフィールドがある千葉市の天気予報は、前日から傘マークばかり。13日の降水確率は60から70パーセントあたりを示していた。ところが、いざ試合となると、開始前にパラついた程度。
天気まで動かす力が福浦にあるというのは、さすがに飛躍しすぎだが、仮にこの日の試合が雨で流れていると、オールスターブレイクもあって、次のホームゲームは7月28日の楽天戦まで2週間以上も待つことになる。ホームで福浦の元気な姿を確認できたことは、ファンにとっても意味があった。
今季23年目となる福浦が積み上げた安打は1912本で、大台までは残り88本。100本を切っているとはいえ、ここからはそう簡単ではない。最近4年の安打数は、45本、32本、26本、47本。平均すると年間37.5本。このペースだと、今年を0.5年として計算しても2000本到達は2018年に入ってからとなる。
昨季も、73試合に出場し、先発で45試合、おもに代打での途中出場が28試合だったが、ほぼ右投手専用での起用。今後も、大きく出場試合数を増やすことも難しいかもしれない。
それでも、前述したように、出てくるだけでその場の空気を全部もっていくオーラがあるのが福浦。チームは3位で前半戦終了となってしまったが、まだまだ上を目指せる位置。ロッテは、ベテランの復帰を後半戦への起爆剤としたいところだ。
文=藤山剣(ふじやま?けん)