【2017夏の高校野球】《島根観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド
キレ型にパワー型、直球自慢の投手並ぶ
小粒でも強烈なダメージを与える橋本!
投手編 〜ストレートにこだわる右腕〜
1年夏に大舞台のマウンドを経験している安藤颯(石見智翠館)の安定感が際立つ。冬から春にかけて「ストレートにこだわった」ことで回転数の多い球が低めに集約され、変化球もより生きるようになった。同僚にはさらに凄みのあるストレートを投げ込む小立紘大も台頭しており、難攻不落の投手陣を築く。
強打の石見智翠館を被安打5に抑えた長岡亮太(大社)は真っすぐ、変化球のコンビネーションに力強さも加わった。昨年12月に開催された野球力測定会では投手ながらスイングスピードで159.4キロを叩き出して1位に輝いた。その体幹を生かして、春は4試合で完投するなど、随分と頼もしくなった。
春の公式戦で未登板の左右の逸材が不気味である。左の井奥勘太(立正大淞南)は巧みなコーナーワークで勝負するテクニシャン。右の川角亜久瑠(大東)は小柄ながら強靭なバネをフル活用し、ピストル弾のような剛速球を投げ込む本格派だ。ともに勝ち方を知っているだけに、勢いに乗れば止められない。
2年生では合理的な投げっぷりが魅力の中田竜斗(出雲西)、綺麗なフォームに力強さも加わった中村優真(開星)ら若きエースの投球にも期待が高まる。
その他、春先の練習試合で開星を1安打に抑えた金?祐真(浜田商)、昨秋の出雲農林戦で2度の降雨ノーゲーム後も真っ向から勝負した飯塚悠大(松江商)、春は遊撃手として出場も、マウンドに上がれば速球派として知られる佐々木翼(江津)、高いポテンシャルを発揮しつつある木戸捷太(安来)、投打に抜群のセンスを発揮する内田玲司(三刀屋)からも目が離せない。
野手編 〜凄みを増す脅威の核弾頭〜
昨秋の益田翔陽戦に続いて、春の出雲工戦でも先頭打者本塁打をマークした橋本典之(出雲)が凄みを増している。敗れた準々決勝の益田東戦でも左中間スタンドへ放り込むなど、とにかく球を捉える能力が優れている。野球力測定会でも個人総合ポイントで初代チャンピオンに輝くなど、高い身体能力は数字でも実証済み。まさに脅威の核弾頭だ。
春の島根を制した石見智翠館には昨秋控えだった紙谷畑海斗と平凌二が2本塁打。強肩を生かして一塁手から捕手にコンバートされた中尾夏輝がライナー弾を放つなど、チームの活性化に成功。5試合で7本塁打と他校を圧倒した。 大社も負けていない。2試合連続を含む3本塁打をマークした上田晶に加え、2年生の福間甲が台頭。あとは旧チームから主軸を担う森口雄大や期待の2年生・小河英一郎らに当たりが出てくれば、脅威が増してくる。
その他、捕手では自慢の送球能力に広角打も確立しつつある福島優太(出雲西)、昨秋から体重を約10キロ増やしてパワーアップした大谷駿介(浜田)らが目を惹く。内野手では浜田戦で右中間へ通算14本塁打を叩き込んだ山口哲矢(島根中央)と攻守で攻めの姿勢を貫く松田亮介(益田東)の力強さ。さらに日高航平(矢上)と月森大介(出雲西)のスピード感溢れるプレーにも要注目だ。
大会展望 〜山陰大会出場校を各校が追いかける〜
山陰大会への出場を決めた石見智翠館、大社、益田東が総合力で一歩リードか。この3校を活発な打線で13年ぶりの夏を狙う古豪・浜田、昨秋の中国大会出場校である立正大淞南、出雲西らが追いかける。不気味なのが、昨春の県大会決勝で激突した開星と大東だ。ともに今春は初戦でコールド負けを喫しているが、練習試合では調子を上げており、一気に駆け上がる可能性も十分にあり得る。今春に大社から異動した板垣悟史監督が率いる安来や実力のある島根中央も侮れない。
野球太郎 No.23
「2017夏の高校野球&ドラフト特集号」
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