今回のメンバーを見渡して、ネクストブレイク選手の筆頭候補に推したいのは細川成也(DeNA、NPBイースタン選抜)。今季、ドラフト5位の高卒ルーキーながら、春季キャンプから注目を集めた逸材だ。
1軍デビューこそシーズン終盤の2試合だったが、プロ初安打が本塁打、さらに2安打目も本塁打という離れ業を披露。さらにCS、日本シリーズといった大舞台でも安打を放つなど、ファンも驚くスピードで成長している。
冒頭でも触れたが「DeNA+ウインターリーグ」ときて、体格も筒香に似ているとなったら(細川:181セン85キロ、筒香:185センチ97キロ)、もう目指す道は決まったようなもの。
DeNAの4番から日本の4番へ。そんなサクセスストーリーを歩むためにも、まずはアジアウインターベースボールリーグ制覇に貢献する活躍をしたい。
野手ではもう1人、鈴木将平(西武、NPBウエスタン選抜)を挙げたい。細川と同じく高卒ルーキーの外野手だが、こちらは走攻守三拍子そろったタイプで、秋山翔吾(西武)の後継者と目されている。
西武ファンの筆者としては、ドラフト4位という順位や、金子侑司や外崎修汰らで埋まった外野陣的を見て、しばらくはファームで育成かと思っていた。
しかし2軍とはいえ、チーム3位の101試合に出場し、打率.280。15盗塁を記録するなど、去年まで高校生だったとは思えない活躍を見せた。ウインターリーグでのさらなる飛躍が楽しみでならない。
西武は以前から野手がポンポン飛び出してくるチームではあるが、そのなかでも鈴木には別格な雰囲気が漂っている。
最後は投手の注目株。プロ入り2年目の吉田凌(オリックス、NPBウエスタン選抜)に期待したい。
東海大相模の3年時に小笠原慎之介(中日)との2枚看板で夏の甲子園優勝を果たしたが、ドラフト指名順位は1位の小笠原に対して5位。1軍での先発も小笠原に先を越され、やや水を開けられていた。
今季は規定投球回数にやや足りなかったが、2軍で防御率2.37、6勝5敗。10月3日の日本ハム戦では初の1軍登板も果たした。結果は2回2/3で6失点と散々だったが、確かな進歩を見せている。
あとはいかに飛躍のきっかけをつかむか。ネクストブレイク選手が巣立ってきたウインターリーグはまたとない舞台だ。
高卒でブレイクした「バファローズ」の先発投手というとメジャーリーガーの岩隈久志(マリナーズ)がまず浮かぶが、同じように上り詰めてほしい。
西武ファンの筆者は、CSファーストステージで西武が楽天に下克上を許したときは、「しばらく野球を見たくない」と思ったものだが、普通にファイナルステージ、日本シリーズとチェックしていた自分がいた。
あらためて「自分は野球が好きなんだ」と感じたのだが、それだけにアジアウインターベースボールリーグで12月中旬まで野球を楽しめるのは幸せだ。
特に今回挙げた3選手の動向はつぶさにチェックしようと思う。そしてまた、新たなネクストブレイク選手の発掘にもいそしみたい。
文=森田真悟(もりた・しんご)