■通算成績
56登板:0勝1敗/4ホールド/投球回61.2/防御率4.09
10年目でもっとも投球回数が少ないのは佐藤祥万(広島)。2007年に高校生ドラフト4巡目で文星芸大付高から横浜(現DeNA)に入団し、2013年オフに日本ハムにトレード移籍。2014年オフに戦力外通告を受けるもトライアウトを経て、広島に入団した。
佐藤の売りはなんといっても左腕ということ。日本ハム時代は1軍登板がなかったが、左腕がやや手薄だった広島が拾い、首の皮一枚で生き残った。今季は1軍で6登板だったが、2軍では29登板で防御率2.22。ようやく1軍定着のステージに近づいてきた。
■通算成績
72登板:2勝4敗/2セーブ/1ホールド/投球回84.2/防御率3.19
12年という在籍年数を加味すると粘りの残留を続けている田中靖洋(ロッテ)。2005年に高校生ドラフト4巡目で加賀高から西武に入団。2015年に戦力外になったが、トライアウトを経てロッテに入団した。
今季は2年ぶりのセーブを記録し、13試合で防御率1.98だった。1軍でもなかなかの成績を残せるようになっているが、やや出番に恵まれていない印象もある。桑原のようにきっかけさえあれば、ドーンと上にいける素材。覚醒の日が待ち望まれる。
■通算成績
43登板:3勝5敗/投球回96.1/防御率5.23
ロッテでは阿部和成も、まだこれから。高卒10年目で未だに通算100投球回に未到達。しかし、ここ2年は2軍で安定感を出してきており、リリーフ適性を示している。
■通算成績
53登板:4勝7敗/5ホールド/投球回98.1/防御率4.85
藤原良平(西武)もしぶとい。2007年に大学生・社会人ドラフト3巡目で第一工業大から入団し、10年目のシーズンを終えた。2014年の20登板が最高だが、2011年から毎年1軍で登板しており、2012年にサイドスローに転向したこと、西武のリリーフ陣が脆弱だったことも残留の一因だろう。
今季は8試合で防御率1.54の成績を収めた。1軍リリーフ陣が薄くなりそうな来季は大ブレイクといきたいところだ。
■通算成績
197登板:10勝12敗/1セーブ/50ホールド/投球回216/防御率3.71
意外にも田中健二朗(DeNA)も投球回数は伸びていない。ここ3年間はDeNAのリリーフ陣になくてはならない存在だが、左のワンポイントという役割。そして下積みの期間が長かったこともあり、桑原の投球回数に及ばず。
2015年にはオールスターゲームに出場しているが、しっかりと1イニングを任せられる存在になり、大ブレイクといきたいところだ。
このほか、戦力外通告を受けた選手のなかにも「プロ10年以上桑原未満」の選手たちが数名いる。長き潜伏期間を経て、球界を代表するスターへ。「大器晩成」を期待したい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)