開幕投手からチームに欠かせない戦力まで! パ・リーグ6球団の12人の投手のスゴさに迫る
開幕が目前に迫ったプロ野球。
トリプルスリー達成者が2人も生まれた昨季に続き、今季はどんな記録が生まれるのだろうか。昨今の野球界は、これまで常識と考えられていた常識を逸脱した選手が、次々と誕生。
このような、過去のセオリーに当てはまらない選手を「ニュータイプ」と呼び、野球のスタンダードを追求し続けた選手を「オールドタイプ」と名付け、今回はパ・リーグ6球団の12人の投手を紹介しよう。
福岡ソフトバンクホークス
《ニュータイプ》
R.バンデンハーク(31歳2年目)
198cm/105kg/右投右打
昨季、韓国・サムスンから加入したオランダ人助っ人。序盤は外国人枠の関係で2軍で調整を続けたが、夏場に1軍デビューを果たすと伸び上がるストレートを武器に無敗で9勝を挙げた。
*今季はココに注目!
93投球回に対して、三振は120、与四死球は26。クローザー顔負けの成績を先発で残している。
《オールドタイプ》
五十嵐亮太(37歳・16年目)
178cm/95kg/右投右打
日本帰国から3年。ここへ来てもうひと伸びしているのが、不動のセットアッパー・五十嵐。若き日は最速158キロの剛速球で鳴らしたが、今の最大の武器はナックルカーブ。アメリカで習得した新球は落差抜群。
*今季はココに注目!
投球の幅が出たことで余裕が生まれ、与四死球も年々減っている。
北海道日本ハムファイターズ
《ニュータイプ》
大谷翔平(22歳・4年目)
193cm/90kg/右投左打
球界最速の162.5キロをマークした速球に加え、鋭いスライダー、落差のあるフォークを武器にエースへと成長。課題であった制球力も向上し、あとはスタミナ面などが向上すれば穴はない。
*今季はココに注目!
二刀流選手だが投手としての評価が高く、日本を代表する好投手として世界中が注目している。
《オールドタイプ》
吉川光夫(28歳・10年目)
178cm/80kg/左投左打
左のエースとして12年の輝きを取り戻しつつある。キレのあるストレートと、落差の大きいスライダーを中心に淡々とゲームを組み立てる。
*今季はココに注目!
失投を本塁打にされることも多く失点は多いが、気持ちを前面に出した気迫の投球で打者を圧倒できれば、来季はもっと頼もしい存在となるはずだ。
千葉ロッテマリーンズ
《ニュータイプ》
涌井秀章(30歳・12年目)
185cm/85kg/右投右打
完全復活を果たし、昨季は6年ぶりの最多勝に輝いた涌井。これという秀でた武器は持たないが、美しいフォームから投げられるキレのある速球と、多彩な変化球で試合を作れる技巧派投手。
*今季はココに注目!
年齢的にも円熟期に入り、来季はエースとして投手陣を引っ張ることができれば優勝が近づく。
《オールドタイプ》
西野勇士(25歳・4年目)
182cm/82kg/右投右打
2014年にクローザーとして開花した若き守護神・西野。150キロ台の速球と鋭く落ちるフォークを武
器に試合を閉める王道クローザーだ。コントロールも良く、被本塁打も少ないので安心して使える。
*今季はココに注目!
昨季は自己最多の34セーブを挙げたが、来季はさらに上を目指して欲しい。
埼玉西武ライオンズ
《ニュータイプ》
菊池雄星(25歳・7年目)
184p/98s/左投左打
セットポジションにしてやや難のあった制球を克服、同時に球威も上げることに成功。なんとNPB最速左腕へと急成長した。
*今季はココに注目!
横の変化球はスライダーとカットボール程度だが、縦の変化球はツーシーム、縦のカーブ、チェンジアップのほかスプリットもあるという万能型。
《オールドタイプ》
十亀剣(29歳・5年目)
183p/88s/右投右打
昨季の11勝、投球回数112回はいずれもチーム最多。チームで唯一規定投球回を投げた。平均速度は140キロ台前半ながら、サイドスローから繰り出される変化球に相手打者はきりきり舞いさせられる。
*今季はココに注目!
4種の変化球のうち、特にシュートとスライダーは最大の武器。
オリックス・バファローズ
《ニュータイプ》
金子千尋(33歳・12年目)
180p/77kg/右投左打
「すべての球種が決め球」と言われるほど、あらゆるボールをあらゆるコースにコントロールできる日本球界最高法の投手。その投球スタイルは軟最速154キロを誇り、切れ味も抜群。
*今季はココに注目!
昨季は手術明けで不本意な成績だったが、今季は期待大。自己新記録を。
《オールドタイプ》
東明大貴(27歳・2年目)
178p77kg/右投右打
プロ入り1年目から一軍ローテ入りし、2年目にローテ定着。見事2ケタ勝利を挙げた。大学、社会人を経てのプロ入りだけに、3年目とはいえチーム内で責任も出てくるはずだ。長年不在だった金子、西に次ぐ先発三番手は完全に確保。
*今季はココに注目!
あとは上の2人を追い抜くだけ。
東北楽天ゴールデンイーグルス
《ニュータイプ》
松井裕樹(20歳・3年目)
174cm/74kg/左投左打
サウスポーで、どちらかといえば球速や球の勢いよりもキレや、チェンジアップ、スライダーとの組み合わせで打者を打ち取る。「新しいタイプのクローザー」。
*今季はココに注目!
本来であれば右の本格派が務めることの多いクローザーとして活躍したことは、もっと評価されるべき。
《オールドタイプ》
則本昂大(25歳・4年目)
178cm/82kg/右投左打
150キロ超の4シームとスライダー、フォーク、チェンジアップと、典型的な「本格派」。また、現代の投手には珍しいフライボールピッチャーだが、それも高めの4シームで勝負できるタイプだからこそ。
*今季はココに注目!
現代のプロ野球界で、本当の意味で「本格派」とよべる数少ない投手の一人だ。
この記事は『野球太郎特別編集 野球太郎テクニカルVol.01』の「12球団ニュータイプ&オールドタイプ選手名鑑」よりダイジェストでお届けしております。
野球太郎特別編集 野球太郎テクニカルVol.01 |
|
発売日:2016/1/30 |
価格:1500円 |
ISBN:978-4-331-80323-3 |
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