高校野球の最前線をお伝えする本企画。先週はどんなニュースがあったのかチェックしていきたい。
10月26日、27日に近畿大会の準々決勝が行われた。近畿のセンバツ出場枠は6枠。4強に勝ち上がればセンバツはほぼ当確、仮に負けたとしても準々決勝での試合内容が残り2枠の重要な判断材料になる。
先週からお伝えしている通り、注目は大阪桐蔭と明石商の一戦だった。明石商は序盤から来田涼斗のタイムリーなどで3点を先制、大阪桐蔭も負けじと3回裏に3番・西野力也が3ランをかっ飛ばし、同点に追いついた。
その後は大阪桐蔭・藤江星河と明石商・中森俊介の投げ合いが続き、6回裏に暴投で1点をもぎ取った大阪桐蔭が4対3の接戦を制した。
準々決勝の結果、準決勝の組み合わせは大阪桐蔭対智辯学園、天理対履正社に決まった。準決勝で信じられない大敗をしない限り、この4校は当確と見ていいだろう。
注目は5、6枠目を争う準々決勝で敗れたチームの比較だ。もちろん大阪桐蔭と接戦を繰り広げた明石商は第一候補に挙がる。大阪桐蔭が優勝すれば、かなり有力だろう。
次点は智辯和歌山。智辯学園との兄弟対決で13対17の大乱打戦を繰り広げた。ただ、13得点は見事だが、17失点は議論の余地を残す。
京都翔英は履正社に4対13(7回コールド)、奈良大付は天理に0対14(6回コールド)で敗れており、こちらはなかなか厳しい状況となってしまった。
また、奈良勢の躍進で「いいところ」を持っていきそうなのは、奈良4位で近畿大会を逃した奈良高校。奈良大会の3位決定戦では天理に敗れたが、1対2の大接戦を繰り広げており、仮に21世紀枠の候補になれば、限りなく近畿地区代表候補に近づくはずだ。奈良3枠目の是非はあるものの、文武両道の公立進学校でさらに甲子園からは近場。21世紀枠候補として注目しておきたい。
その他の地区の今週末の組み合わせも紹介しておきたい。
東海大会は11月2日に準決勝、県岐阜商対加藤学園、藤枝明誠対中京大中京が行われる。
東海は2枠のため、ここが大一番だ。近年、急上昇中の加藤学園は初の甲子園を狙う。2018年に母校に凱旋した県岐阜商・鍛治舎巧監督の采配にも注目したい。
中国大会は11月2日準決勝、鳥取城北対創志学園、倉敷商対広島新庄のカード。四国大会も同じく2日に岡豊対尽誠学園、明徳義塾対高知中央の組み合わせになっている。
中・四国は合わせて5枠。決勝に勝ち上がったチーム当確ランプで、残りは次戦の敗者4校の比較になるのが通例だ。
文=落合初春(おちあい・もとはる)