青森の有望選手、大会展望
7月10日〜23日(青森市営野球場ほか)
全国屈指の打線と投手陣の八戸学院光星
八戸工大一バッテリーが王者対策を練る
投手編
▲中川優(八戸学院光星)
光星を抑え込める投手は?
センバツ出場の八戸学院光星の打線は全国屈指だ。この打線を抑えなければ、先は見えてこない。
そんな中、楽しみな投手が長身の2年生右腕・内沢航大(八戸工大一)だ。身長は194センチで、フォームがバランスよくピタリとはまった時のストレートは威力十分。最速は140キロを記録。カーブを交ぜながらイニングが進むにつれてストレート勝負が増える尻上がりタイプだ。春の県大会決勝では八戸学院光星に4−24で大敗を喫したが、内沢は登板なし。2年生右腕がどこまで通用するか、楽しみな対戦は夏に持ち越された。
内沢とは逆に170センチと小柄ながら制球力に優れるのが八戸学院光星の中川優。ストレートはもちろん、チェンジアップにツーシームなど多彩な変化球も針の穴を通すようなコントロールで、大崩れすることはない。ほかにも小川佳斗、八木彬の両右腕に、左腕・呉屋開斗、センバツまで背番号1を背負っていた佐藤駿など投手陣も充実している。
青森山田のエース・山地大成は130キロ台後半のキレのあるストレートで勝負。テンポに加えマウンドさばきもいい。弘前学院聖愛の2年生エース・赤川諒にも140キロ近いストレートがある。ほどよく散ればいいが、まとまると打たれやすくなる。意識していきたい。弘前学院聖愛には外野手兼任の外川和史もいる。スライダーや鋭いカーブを操り、中学時はエースとして全中に出場している。
木造の左腕・佐々木健は130キロ台後半の力強いストレートに、スライダー、チェンジアップを織り交ぜて抑えていく。ヒジの故障に悩まされ、投げ込み不足は否めないが、能力の高いサウスポーとして注目を集めている。
打者編
▲水木海斗(青森山田)
キーマンは強肩捕手・内山
八戸学院光星の打線には抜け目がない。阪神・北條史也の弟で1番を打つ裕之は長打のある切り込み隊長。センスが光る足立悠哉が2番でつなぎ、強力なクリーンアップに回す。3番・森山大樹、4番・深江大晟、5番・新井勝徳と、勝負強く長打力のある3人が並ぶ。豪快な打線の中に小技のきく新井勝貴が入っており、相手投手は常に気が抜けない。
この打線を抑えるカギは、八戸工大一の捕手・内山太嗣が握っている。二塁送球タイム2秒を切る強肩で、さばきのうまさを兼ね備えた打てる捕手だ。春の地区予選で負傷し、県大会はベンチ外となったが、スタンドからじっくり対戦相手を分析。194センチ右腕・内沢をうまくリードできるかがポイントになりそうだ。
昨秋から選手が大幅に変わっているのは青森山田。中でも不動の三塁手・水木海斗がパワーアップ。身体能力の高さに加え、ボディーバランスも優れ、攻守でそつがない。4番・岡田元気はスイングが速く、ミスショットが少ない。
昨年の甲子園出場メンバーが多く残る弘前学院聖愛で味を出す北畠栞人は広角にヒットを打ち、守備でもセンスを発揮する。
このほか、青森北の高谷仁志は体が強く、強肩強打でチームを牽引。田子の主将・遠沢翔太は長打力のある3番打者で、その打撃力で春の県大会初勝利に導いた。
大会展望
八戸学院光星にどこまで迫れるか
青森の私学4強が春の県大会でベスト4に残ったのは、実は初めてのことだった。そんな中、八戸学院光星がセンバツから投打にレベルアップしており、県内では頭一つリードしている。八戸工大一は昨秋の地区予選敗退から這い上がって準優勝。八戸学院光星との力の差をどれだけ埋められるかがカギを握る。青森山田は全体的にまとまっているため、力強さが加われば巻き返しも狙えそうだ。そこに昨年、甲子園に初出場した弘前学院聖愛がどれだけ食らいついていけるか。
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